八卦ロボ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/15 10:10 UTC 版)
「冥王計画ゼオライマー (OVA)」の記事における「八卦ロボ」の解説
原作とは敵組織自体が変更されており、ロボットには全て八卦の称号が付けられている。また、わずかな流用分を除いて設定自体はOVA版オリジナル。ゼオライマー、ローズセラヴィー、バーストン、オムザックはマサキの設計であり、ランスター、ブライスト、ガロウィン、ディノディロスはルラーンの設計である。 なお、日本では八卦の卦に水が対応付けられることが多いので、月の称号を持つローズセラヴィーの存在が奇異に感じられるが、中国では太陽に対応付けられる卦と対をなすものとして卦に月が対応付けられることが多い。それゆえ、全ロボットと八卦の対応関係は、易の原理から外れているわけではない。メカニックデザインを担当した森木靖泰は、そういった部分に関して調べた上で設定したと設定資料集で明かしている。詳しくは、ガロウィンとローズセラヴィーの項を参照。 天のゼオライマー 『天』の称号を持つ最強の八卦ロボ。パイロットはマサト/マサキ。全高50m、重量480t。別次元から無限のエネルギーを取り出す「次元連結システム」(原作漫画の「超次元システム」に相当)により、他の八卦ロボを圧倒する出力・能力(空間跳躍・全方位対応のバリアー、前述2機能の同時使用)を持つ。コクピットは原作漫画版の腹部から首付け根下に変更されており、ラストガーディアンでの格納時には機体は一部が折り畳まれ上半身、下半身、腕部、胸部光球と四分割された格納形態となって収容されている。前述の通り空間跳躍可能だが、戦闘機動時はバックパックスラスターを使用。美久が未搭乗(=次元連結システムが未起動)の状態でもゼオライマーを動かすことは可能だが、胸部の光球が消え、出力は3分の1以下になってしまう。 手甲部光球から発射する「エネルギー波」「次元連結砲」の他、必殺技の「メイオウ攻撃」は、エネルギー波により全ての物質を原子レベルで破壊・消滅せしめる、作中最強の威力を持つ。なお、メイオウ攻撃の発動時は、ゼオライマー自身が「メイ・オウ!」と叫ぶかのようなサウンドエフェクトが掛けられている。 風のランスター 『風』の称号を持つ八卦ロボ。パイロットは耐爬。全高47m、重量300t。製造当初は、他の八卦ロボ輸送時の護衛用(本機、ゼオライマー、オムザック、ローズセラヴィーの4機以外は自力で飛行できないため、専用の輸送機「双鳳凰」で目的地まで運搬する必要がある)に作られた機体であった。他の機体に比べると攻撃力で劣るが、その運用の幅は他の機体より広い。肩部エアスラスターから暴風を塊のように発射する「ボーンフーン」、かまいたち現象により相手を斬り付ける「ブレイウェイン」、肩部エアスラスター全てから暴風を発射・合成し竜巻を起こし相手を巻き込む「デッド・ロン・フーン」など様々な技を持っている。作中では起動直後のゼオライマーの初戦相手となり、後一歩のところまで追い詰めたかに見えたが、真の力を発揮したゼオライマーの相手ではなかった。頭部に備え付けられている角は、180度方向を変えることにより、武器として使える。 火のブライスト 『火』の称号を持つ八卦ロボ。パイロットはシ・アエン。全高57m、重量420t。クロー状の手の平から展開する砲身からナパーム火炎放射を行う「フレア・ランチャー」と、肩部ユニットを展開し高温のプラズマ光弾を形成・発射する必殺武装「マグラッシュ」を装備し、単体でも高い火力を誇るが、本機の真価は水のガロウィンとのコンビネーションにより発揮され、機体同士を接続して放つ、「フレア・ランチャー」の上位増幅技「トゥインフレア」と、ガロウィンのメガサーチャービームで敵を捕捉して(この際、2機は目標を挟んで相対する配置となる)手の先に有るレーザー受信機で射線を設定し、最大出力のマグラッシュとガロウィンのメガサーチャービームを同時にぶつけ、相反するエネルギーの衝突による大爆発を起こす最大の技「トゥインロード」を使用できる(ルラーンによれば「空間ごと消滅させる」威力がある)。 水のガロウィン 『水』の称号を持つ八卦ロボ。パイロットはシ・タウ。全高54.6m、重量450t。火のブライストとの合体攻撃を主に、あくまでもサポート用に設計・開発された機体である。そのために本機の武装は、肩アーマーに内蔵された冷気を放射して相手の動きを止める「ガロウィン・ブリザード」、腰部に一対装備されているガイドレーザー照準機を有し目標を定め高精度の命中率を誇るビーム砲「メガサーチャービーム」で、他の機体に比べると直接的な高い攻撃能力は有していないが、機動性は高く、ブライストとの連携においても迅速に位置取りを行うことができる。合体攻撃時にはブライストの銃脚役や、冷却・エネルギー供給補佐を担当する。 なお、この八卦に当てられている紋章は日本において通常は「沢」だが、火のブライストの対照型の姉妹機との設定や、後述するローズセラヴィーとの兼ね合いのため、水の称号になっている。 月のローズセラヴィー 『月』の称号を持つ八卦ロボ。パイロットは葎。全高52.3m、重量550t。胸・脚・指など、様々な箇所にビーム砲が搭載されている。通常武装は指先の「ビームランチャー」(拡散連射や収束放射など、発射モードは切り替え可能)。手を手刀の形にしてビームを固め、刀のように振るう「ルナ・フラッシュ」を白兵武装として使用。さらに重砲撃武装として砲撃形態をとる事で全エネルギーを極太ビームとして放出する必殺武装「Jカイザー」が装備されている。Jカイザーは他のビーム発生器を展開することで最大出力の放射も可能である。どの武装も出力が高く単機のジェネレーターのみでは出力が持続せず連続および長時間使用が出来ないため雷雲内へ衛星を飛ばして雷のエネルギーを自機へ送る最大3機のエネルギーチャージシステム(通称「月の子」)が装備されている。 マサキによる製造段階では、元々オムザックと同様に不完全なプロトタイプではあるものの、次元連結システムを搭載していたことからエネルギーチャージは不要だった(このマサキ版とも言うべき機体は、姿そのものも本編登場版とは異なっており、原作寄りのデザインである)が、マサキはゼオライマーを盗む際に次元連結システムのノウハウ流出を防ぐべく、オムザック共々ほぼ完全に破壊している。そのため、ルラーンによる復元の際には出力不足を補うべく、エネルギーチャージシステムが搭載された。 エネルギーチャージによって長時間の戦闘が可能、武装にビーム剣を持つなど、設定は原作のローズセラヴィーを踏襲しているが、必殺武器の名称はJガイザーからJカイザーに変更。発射方式も原作漫画版および森木デザインのマサキ版では胸部ビーム砲だが、OVAではスカートアーマーを変形合体させ砲撃形態をとる形式となっておりエネルギーチャージャーは本体から射出する独立した小型の使い捨て式(使用時に崩壊するため回数自体に制限が掛かる)に変更されている。 第1巻制作時にはデザインがまだ決定直前であったため、紹介シーンに登場する機体はその時点で最新の設定画を元に描かれたもの。それゆえ、第3巻に登場する機体とは細部が異なっている。 なお卦の象徴の中に月が在り、加えて原作漫画の踏襲部分として天のゼオライマーと対の位置付けにある機体のため、天の象徴物の太陽と対になる月が採用された。それゆえ、日本で卦と対応付けられる水の称号を、属性が似通っているに移している。 地のディノディロス 『地』の称号を持つ八卦ロボ。パイロットはロクフェル。全高53m、重量500t。八卦ロボの中で唯一、頭部が2つ存在する双頭の機体。展開・変形した両手を地面に突き刺し設置して大地に波動を送り、マグマ層を活性化させて大地震を発生させることが可能。その他の武装としては、腕部ビーム砲やミサイルなどを搭載しているが、地震による建造物破壊を主目的とした機体であり、対ロボット戦には不向きである。バーストンとほぼ同時期に製造され後続機体の主要武装のテストをこの2体で行っていた。ゼオライマーに左腕のビーム砲を撃とうとした所をオムザックに腕部を破壊されることで止められ、最後は突撃を仕掛けるも八卦ロボで唯一、メイオウ攻撃ではなく次元連結砲で撃破された。 山のバーストン 『山』の称号を持つ八卦ロボ。パイロットは祗鎗。全高55m、重量600t。ルラーンによると、全身に500発のミサイルを装備する。背部に多連装ミサイルランチャー(肩部にミサイルが格納されている)、脚部に切り札として複数の核ミサイルを装備しており、オムザックに対して自殺攻撃による相打ちをにおわせて牽制した。蓋となっている脚部装甲にも対迎撃用ミサイル(MIRV用のデコイ弾頭に相当)が配置されている。手部にはビーム砲を装備しているが、こちらは牽制や護身用としての意味合いが強く、本来はディノディロスと同じく、建造物破壊を主目的とした機体であり、対ロボット戦には不向きである。ホバー移動が可能なため、重量の割に地上でもそれなりの機動力を持つ。オムザックと共にゼオライマーに挑むが、一矢報いることなくメイオウ攻撃で消滅させられる。 なお、巨大ロボット製作技術の検証機体であり最初に建造され以後の機体の原型となったものであるため他の八卦ロボに比べると構造が簡素であるという設定だが、森木靖泰のデザイン作業では、風のランスターがゼオライマー以外の全八卦ロボの原型である。 雷のオムザック 『雷』の称号を持つ八卦ロボ。パイロットは塞臥。全高70.3m、重量700t。八卦ロボの中では唯一の非人体型で、四肢らしいマニピュレーターも装備されておらず、反重力システムによって常時浮遊しており、アメリカ第七艦隊上空に突然出現して壊滅させた。その設計の複雑さと巨大さゆえ、第3巻の時点まで復元が完了していなかった。 武装は、八卦ロボの中で唯一ゼオライマーに対抗できる威力を持ち、周囲数kmの物質を微粒子化する原子核破砕砲「プロトン・サンダー」。ゼオライマーと対峙した際には発射体勢に入ったものの、バーストンと共にメイオウ攻撃の前に散っていった。なお、設定画では胸部中央の小型マニピュレーター状の砲身を展開するだけだが、OVA本編では米軍に襲撃を仕掛けた際背面部のジェネレーターから光球を打ち出しており、スーパーロボット大戦ではこれも含めて「プロトン・サンダー」と解釈している。通常のビーム砲も装備しているが、ディノディロスの腕を破壊した攻撃は画面外から行われたため、機体の何処の部分から発射されたかは本編では不明であったが『スーパーロボット大戦MX』および『スーパーロボット大戦J』では、額部のジュエルから発射している。
※この「八卦ロボ」の解説は、「冥王計画ゼオライマー (OVA)」の解説の一部です。
「八卦ロボ」を含む「冥王計画ゼオライマー (OVA)」の記事については、「冥王計画ゼオライマー (OVA)」の概要を参照ください。
- 八卦ロボのページへのリンク