MIRVとは? わかりやすく解説

【MIRV】(まーぶ)

Multiple Independently-targetable Reentry Vehicle (複数個別誘導再突入機

弾道ミサイル形態のひとつで、1基に複数弾頭搭載しそれぞれの弾頭個別終端誘導を行うもの。
主として戦略核兵器としての大陸間弾道ミサイル採用されている。

このシステム搭載したミサイルは、成層圏への到達後、角度目標への到達時期ごとに弾頭が1発ずつミサイル本体から離脱する
弾頭個々半ば独立したミサイルであり、姿勢制御行いながら大気圏再突入起爆する
しかし、弾頭単体での航続距離短くミサイル本体弾道から大きく外れた場所には着弾できない
加えて通常の弾道ミサイル比べてさらに半数必中界増加する

MIRVを採用する主要な利点は、同じペイロードを単弾頭用い場合より危害面積増える事である。
破壊力総量同等であれば、それを1箇所集めるより分散させた方が効率的に広い地域破壊できる
また、弾頭の数が実質的に数倍以上になるため、迎撃対処著しく困難となる上、最も巨大高価なロケットエンジン部分共用する事で大幅なコスト削減ともなる。

核弾頭小型化開発上の課題であったが、1970年代実用化され、ICBM主流躍り出た

ちなみに、このシステム当初SALTⅠ戦略兵器制限条約)の抜け道として開発された。
条約制限の対象とされたのが核ミサイルの「保有数」のみで、搭載され弾頭の数については考慮であったためである。
結果その後START戦略兵器削減条約)で核弾頭そのもの保有数が制限される至っている。


MIRV

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/25 14:15 UTC 版)

MIRVMultiple Independently-targetable Reentry Vehicle, マーヴ、複数個別誘導再突入体)は、ひとつの弾道ミサイルに複数の弾頭(一般的に核弾頭)を装備しそれぞれが違う目標に攻撃ができる弾道ミサイルの弾頭搭載方式である。


  1. ^ これは後に技術の向上により克服されてゆき、多弾頭型であっても単弾頭型と同等、あるいはそれ以上の命中精度をもつミサイルも実用化されている。


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