修羅の国
修羅の国
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「北斗の拳の登場人物一覧」の記事における「修羅の国」の解説
※ 羅将および修羅の詳細は修羅の国を参照。 羅将(らしょう) いずれも北斗琉拳の伝承者である。修羅と呼ばれる猛者を配下に置き、修羅の国の支配者として君臨している。ここでは簡単な説明にとどめる。カイオウ 修羅の国第一の羅将で、自らを“新世紀創造主”と称す。ラオウ、トキ、サヤカの実兄。母を失ったいきさつ(「カイオウの母」参照)から北斗宗家と北斗神拳の血を憎み、卑劣な手段でケンシロウ抹殺を図る。 原作では基本肉弾戦が多く魔闘気はあまり使っていないが、アニメでは魔闘気を乱用し、最後までケンシロウを苦戦させる難敵になった。また原作ではヒョウ戦でリンと会話した際に外した仮面も、アニメでは最終決戦まで外していない。 ケンシロウに倒された後は改心し、最期はヒョウの遺体を抱えながら溶岩を浴び死亡した。 『北斗の拳』の連載35周年を記念して行われた人気投票「国民総選挙」では、第19位にランクインしている。 ヒョウ 修羅の国・第二の羅将。ケンシロウの実兄。北斗宗家の嫡男。カイオウの謀略により弟ケンシロウと戦うように仕向けられ、兄弟で骨肉の死闘を演じることとなった。 当初は北斗宗家やケンシロウに関する記憶を封じられていたが、兄弟対決を経て北斗宗家の血に目覚め、記憶と正気を取り戻した。しかし同時に自身の罪に気付き、罪悪感から正気を取り戻していない演技をしてまでケンシロウに倒されようと戦闘を続行するも、シャチに不意討ちで止めをさされ敗北。その後、ケンシロウ達と和解し封印されていた宗家の秘拳のありかを教える。 最期はカイオウを歪ませたことを詫びながら彼の胸の中で事切れた。死後、その遺体はカイオウに抱えられ、溶岩に埋葬された。 ハン 修羅の国・第三の羅将で、未だかつて誰も影すら見たことはないという疾風のごとき拳速を誇る。 ケンシロウが最初に対戦した羅将であり、リンを追って駆けつけたケンシロウと激闘を繰り広げた。 シャチ 声 - 鈴置洋孝 / 神谷浩史(真・北斗無双) / 中村悠一(LEGENDS ReVIVE) 北斗琉拳の使い手。赤鯱の1人息子であり、元来の修羅の国の者ではないがこの国の現状を嘆き、北斗琉拳の大老であるジュウケイから拳を教わった。レイアという恋人がいるが、戦いに身を投じている間は彼女への「愛」を捨て「羅刹」へと走った。 修羅の国で1800勝した郡将カイゼルを倒し、並の修羅なら瞬殺できる、かなりの実力者。修羅を喰らう鬼の意味を持つ「羅刹」として畏れられていた。しかし羅将には遠く及ばず、ハンやカイオウに挑んだこともあったが軽く一蹴されている。またケンシロウとハンの激闘を目の当たりにし、自分では本物の北斗の伝承者たちには及ばないことを悟った(ただしアニメの描写では、ケンシロウとハンの戦いを目の当たりにすることで、拳筋を見極めることができ、実力を高めた)。 普段からボロ(=戦いに敗れ死にきれず、両足の腱を切られた者たち)を装い正体を隠し、相手の油断を誘うなど用心深い性格である。初登場時も砂時計のアルフに付き従うボロを装っていた。郡将カイゼルとの戦いの際には、あらかじめボロとして彼の傍で働き、胸の古傷の弱点を調べていた。また、ハンの許に出向いた折には、服の下に防具を身につけることで、ハンの拳を受けるも比較的軽いダメージで済ませた。 当初は修羅の国に渡ったケンシロウを利用して羅将を倒そうと企てるが、いつしか(原作ではハン戦で)ケンシロウを修羅の国を救う希望と信じるようになる。カイオウに敗れたケンシロウを逃がす中、自分がこのためにこの国でレイアに恋をし、留まっていた理由を悟った。カイオウの居城を脱出後は、瀕死のケンシロウを自身の左目を犠牲にしてヒョウから救い、ヒョウとケンシロウの戦いを見届ける。ヒョウと和解してからは泰聖殿へと向かうが、待ち伏せていたカイオウと遭遇する。 最期はレイアを守るべくカイオウへ特攻するがサンドバッグにされ片手と片足を失ってしまう(原作では踏み千切られたが、アニメでは骨折で済む)。しかし女人像の力を借りたことで一時的にカイオウを圧倒するという活躍を見せ、奮闘虚しくカイオウの頭突きで止めをさされ敗北するが何とかレイアと女人像を守り抜きカイオウを退かせるという目標は達成する。悔いを残すことなくレイアに看取られて死んでいった。シャチの打倒カイオウの意志はケンシロウに引き継がれることになった。 なお原作ではケンシロウが駆けつける前に息を引き取ったが、アニメではケンシロウが駆けつけた後、北斗宗家の秘伝を伝授したのを見届けてから息を引き取っている(ただしアニメでも「さらばだケンシロウ」とは言わなかった)。終盤は失った左目に父・赤鯱の形見である眼帯を着用していた。愛するレイアを守るためにあえて偽りの狂気を演じ、父親の死別などの悲しみを耐えてまでケンシロウを救い、レイアのために最後まで戦い抜いた。 ケンシロウの仲間になる時期が原作とアニメで異なり、原作ではハン戦のリンとの会話が切っ掛けで仲間になったが、アニメではハン戦ではまだ仲間にならず、リンをカイオウにわざと拉致させケンシロウとぶつけさせるが、カイオウにボロボロになりながら立ち向かうケンシロウの姿に感動したことで仲間になった。 ジュウケイ 北斗琉拳の大老(ターロン)と呼ばれる先代の伝承者。カイオウ、ヒョウ、ハンとシャチの4人に北斗琉拳を伝えた師であり、ラオウとトキとケンシロウの3人を北斗神拳のリュウケンのもとに送った。 極意が魔道にあるゆえに北斗琉拳の伝承を禁じていたが、暴力の時代を制するべく禁を破ってカイオウとヒョウとハンに琉拳を教える。だが彼らは拳の凄絶さに魂を奪われて(カイオウはジュウケイの教育の影響もあり)羅将と称し、この国を修羅の国へと変えてしまう。 『北斗の拳』の前史となる『蒼天の拳』では、少年時代の彼の姿が描かれる。 サヤカ 声 - 高島雅羅 / 山中まどか(真・北斗無双) カイオウ・ラオウ・トキの妹で、ヒョウが思いを寄せた女性。容姿は、カイオウの母と瓜二つ。北斗宗家の血を憎悪するカイオウにより、ケンシロウとヒョウを相打ちにさせる道具として、非情にもカイオウに殺害された。 原作では露出度の高い格好をしていたが、アニメ版では変更されている。また、カイオウの居城内で逃げ惑うリンと出会い助けるなど大幅に出番が増え、かつては兄のカイオウも北斗琉拳を学ぶ前は優しかったことや、ヒョウと共に海を渡ってみたいという自分の思いをリンに語る場面もあった。その容姿や人柄からカイオウたちによる支配を快く思わない市民たちにも慕われていたらしく、彼女の葬儀が執り行われた際には参列した者からその死を悼む発言もあった。 黒夜叉 声 - 千葉繁 / 桐本琢也(真・北斗無双) / 小田柿悠太(LEGENDS ReVIVE) 修羅の国で北斗宗家のケンシロウに生誕時より遣わされた従者。 北斗宗家にして北斗神拳伝承者に代々仕えるという最強の拳士の一人で、ジュウケイをも凌ぐ拳を持つと言われる。魔界に入りし北斗宗家の血を断つのが役目であり、カイオウの策略で魔界に墜ちたケンシロウの兄であるヒョウを倒そうとする。両腕に仕込んだ鉄の爪が武器。琉拳の奥義「暗流天破」を破る秘拳・遊昇凄舞を持っていたが、自壊羅糸を周りに張られて左腕を失い敗北するもケンシロウに救われる。 最期は、ケンシロウとの闘いで正気とすべての記憶を取り戻したヒョウと共に、カイオウが差し向けた最強の修羅陸戦隊を食い止めるために戦う。激戦の末にカイオウ陸戦隊の侵攻を阻止するが戦闘中に(アニメではヒョウの話が終わった直後に)倒れ、匍匐したままヒョウと最期の会話を交わし、ヒョウの胸の中で思い残すことなく死出の旅路につく。 赤鯱(あかしゃち) 声 - 郷里大輔 / 角田信朗(真救世主伝説) / 稲田徹(真・北斗無双) / 矢部雅史(DD北斗の拳2) / 麦人(LEGENDS ReVIVE) シャチの父親。海賊船の船長。かつては拳王(ラオウ)に仕えていたことがあり、シャチと共にラオウと対面したこともある人物。この時ラオウから倒さねばならぬ2人の弟(トキ、そしてケンシロウ)がいると聞かされている。 一度、新天地を求めて100名の兵と共に修羅の国に攻め入ったが、たった15歳足らずの修羅一人に敗北。自身も右目右手足を失い、シャチとも生き別れてしまう。その後は「双胴の鯱」と呼ばれる「最悪の海賊」として放浪していた。そんな中、修羅の国を目指すケンシロウに海賊船に乗り込まれ、戦うも敗れて彼を修羅の国まで連れて行く。またその際に、置き去りにしてしまった息子シャチを救ってもらうように頼む。 その後、ケンシロウやシャチの危機を察したのか修羅の国の奥深くに子分たちと共に入り込み、カイオウに敗北して瀕死のケンシロウと窮地のシャチを、液体ゆえにどんな攻撃でも砕けない硫酸をカイオウに浴びせる奇策で助ける。しかし、直後にカイオウが放ったボウガンで体を貫かれてしまい、大きく成長した我が子に抱き締められながら息を引き取った。その後、彼の子分たちはケンシロウやシャチを救うための時間稼ぎとしてカイオウに挑み、全滅した。 『真救世主伝説』では、レイナと共にラオウの帰りを待ちわび、遺灰となって帰ってきたラオウをレイナと共に修羅の国へ送り届けた。 拳王軍の武将のほとんどは、ラオウを「拳王様」と呼んでいるが、赤鯱は生前のラオウを「ラオウ様」と名前で呼んでいる。 レイア 声 - 勝生真沙子 / 佐藤朱(真・北斗無双) / 古川貴子(DD北斗の拳2) シャチの恋人。タオの実姉。 かつて、退却した赤鯱の船に乗り遅れたシャチと出会い、相思相愛の仲となる。そして、シャチが父である赤鯱のもとに帰ることを悟って密かに彼のために船を作るが、それを知ったシャチは父のもとに戻らず、彼女と共にこの地に残ることを決めた。その後、シャチがジュウケイより北斗琉拳を習い始め、時を経て行くごとに愛や優しさを捨て去り変貌していくさまを目の当たりにして、彼を見限るも、リンやケンシロウやジュウケイの言葉を受け昔の心に戻ったシャチと和解する。密かに地下室にて私塾を開き、修羅の修練場へ連れて行かれる前の子供たちに愛や情、そして闘いの哀しさや虚しさを伝え続けた。 そんなレイアの信念は決して揺らぐことのない確固たるもので、一時期は修練生となった実弟・タオにまで見切りをつけていたほどである。「いかなる外道とて、最後に落ち着く場所は愛」と説いている。シャチが彼女を守るために壮絶な死を遂げたことを受けて、より一層胸を張って愛に生きてゆくことを誓う。原作ではこれ以降の出番はなし。 アニメでは子供たちと一緒に、シャチのためにプロテクター(肩当て)を作っていた。これは後にカイオウとの決戦でケンシロウが着用した。アニメ版ではここの場面でケンシロウを送り出したのを最後に以降の出番はなし。 タオ 声 - 佐々木望 / 宮坂俊蔵(真・北斗無双) レイアの実弟。一度はシャチのように強い男になりたいという理由から修羅を目指すも、親友を殺せと言われ、レイアの言う愛を実感する。修練場を脱走し捕まえに来た修羅に殺されかけるも、ケンシロウに助けられ姉と再会する。 ママルとモリ レイアの私塾で教えを受けた2人の少年。愛や情の大切さや、無為に争うことの虚しさを教化される。したがって、修練場で戦おうとせず、愛を理解せぬ他の少年から一方的に痛めつけられ、監督していた2人の修羅に捕まってレイアのもとに連行される。その場で見せしめとして殺されかかるママルとモリを、レイアと助けに駆けつけたシャチが守ろうとするも到底修羅には敵わず、4人は偶然通りかかったジュウケイの拳に命を救われる。 コセム 声 - 岸野一彦 名前はアニメ版より。ボロをまとった老人で、修羅の国にラオウが来ることを信じて待ち続けていた。ラオウ来訪の報を知らされて立ち上がり、実子チェーン(声 - 堀川亮)を含む囚われの子供たちを助けた。だが、来たのはラオウではなくケンシロウだったことを知らされ、ブロン率いる修羅に子供たちを殺害される。そして「あんたが来たせいだ!!なぜラオウ様は来て下さらなかったのだ!!」とケンシロウを激しく拒絶した。 ロック 声 - 広中雅志 アニメオリジナルキャラクター。コセムの息子でチェーンの兄として登場し、彼の6人の仲間もアニメオリジナルキャラクターである。131話から133話の3話にわたって登場し、物語の中心人物として描かれた。 ロックと6人の仲間は西部劇のカウボーイさながらに馬を乗りこなしている。ヨハン(声 - 松野達也)という少年からは憧憬の対象であった。ラオウ伝説の到来を信じていたが、父コセムからラオウではなくケンシロウが来たと聞かされ、6人の仲間と共にラオウ伝説を継ぐことを決意。全員武器による戦いを極めており、その実力は修羅の一部隊を壊滅させられるほど。修羅の一人・シエに襲われそうになった所をケンシロウに助けられるが、父と同様にケンシロウを激しく拒絶して彼のもとを去った。その後、修羅のギャモンに人質を取られたロックたちは命令でケンシロウと対決するが、悲しみを看破されて逆に助けられることとなる。ようやく彼を認めるようになったロックたちは、ジュウケイからケンシロウとヒョウが実の兄弟であることを知らされると、ヒョウの軍団へと立ち向かう。最初は優勢だったが武器による戦いはヒョウに通用せず、次第に劣勢となり仲間は全員死亡。ロックもヒョウの闘気を受けて満身創痍になったが仲間の助けで何とか逃げ延びケンシロウに真実を伝えようとするも叶わず、その腕の中で死亡した。 ホセ ロックの仲間。ロックとともにヒョウと対決するが、闘気を受けて満身創痍となる。ロックを逃がすために単身ヒョウに突撃し、北斗琉拳奥義・陽真極破で葬り去られる。 ハンス、ウェイン、フランコ、ロペス、サンチョ ロックの仲間たち。ロックとともにヒョウの軍団に挑み、全員死亡した。 カイオウの母 声 - 坪井章子 幼いケンシロウとヒョウが火事で閉じ込められた際、カイオウやラオウに愛を教えようとして炎の中に飛び込み、自らの命と引き換えに2人を救い安らかな微笑を浮かべて死亡した。その最期をジュウケイは称え丁重に葬るとカイオウに告げるも、彼はラオウを連れて母の遺体を棺から盗み出し、「冷たい石の棺に入ることはない。ここなら冬でも暖かい」と溶岩の流れる火山地帯に葬った。さらにカイオウは母が死んだ後、愛を捨てるために自分の飼っていた子犬・リュウを殺し、その悲しみを失くすため自らの体に傷をつけた。以後カイオウは愛を失うたびに自分の体に傷を付けるようになり、北斗宗家に憎しみを抱くようになった。 自子ではない子供の命を救い、結果自子カイオウが歪むさまは、かつて北斗宗家の跡継ぎを決める際に姉のオウカが妹シュメの子・シュケンのために命を投げ出した悲劇の再現であった。 登場時には幼少時のトキを抱いている。 なお彼女の墓は修羅の国以外にも1基あり、その隣にはケンシロウによってラオウとトキが葬られた。 ※ 以下の人物の詳細は北斗宗家を参照。 オウカ / シュメ 声 - 土井美加(オウカ) / 山本百合子(シュメ) 北斗宗家の血を引く姉妹。姉のオウカはカイオウ、ラオウ、トキ、サヤカの遠い先祖にあたり、妹のシュメはケンシロウ、ヒョウの遠い先祖にあたる。 オウカはリュウオウを、シュメはシュケンを産む。だが宗家の跡継ぎ選びに際し、病気で長くは生きられないことを悟ったシュメは、我が子可愛さから伝承者を決める前日にシュケンを奪還して逃走、甥のリュウオウをそのまま狼に食い殺させようとまでした。これを密かに見ていた北斗の高僧たちはシュメのこの行動を反逆と見なし、シュメとシュケンの処刑を決定。その上でオウカの子であるリュウオウを宗家の跡継ぎとしようとしたが、オウカは妹の子のシュケンに伝承者の道を歩ませるために身を投げる。その後、2人の深い愛を受けたシュケンは受け技が極められた北斗宗家の拳を発展させ、北斗神拳の創始者となった。後にシュメは病没した。 一方のリュウオウは母・オウカの死で母無し子となり、原作ではその子孫であるカイオウたちが愛に彷徨することとなったと語られるのみだが、テレビアニメでは母の愛すら知ることもできず、野に下って北斗琉拳を創始したとされている。
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