アイデアル
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アイデアル(ideal)
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アイデアル(Ideal)
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ビンセント・ラロ アイデアルのボス。通称「ボス」。 長髪で整った顔立ちをしている男。外見は若々しいがヴォジャが幼児だった頃から同じ外見であり年齢不詳。常に冷静で非常に頭の回転が早く、表面上は丁寧な紳士として振る舞うが、自身の利益には貪欲で、そのためなら他人の死など気にしない冷酷な性格。組織内でも素性のわからないボスとして認識されている。基本的に部下や協力者も道具程度の認識であるが、クレイグとヴォジャに関しては特別な感情を抱いており、エア・ポーカーの敗因分析の中でも、彼らの死によって普段の冷静さを失っていたとする。賭郎の乗っ取りを企み、その手段として貘の屋形越えの権利を横取りすることを企てたために、第三勢力として物語を暗躍する。 ダイヤモンドに異常な執着を持ち、ダイヤを見つめると陶酔しきった表情になる(アイデアルという名前自体がダイヤモンドの最高位カットの名前に由来する)。ダイヤは自分の様な優れた存在にこそ相応しいと考え、それにはるかに満たない他者がダイヤに触れるだけでも激しい憎悪にかられ、普段の冷静さからは思えない激情家ぶりを表す。 物語上は廃坑編で登場し、佐田国のテロ計画をカールを通して背後から操り、巨額の富を手に入れようとしていた。その際に協力を求めた賭郎がそれを拒否したために、計画が失敗して多額の損失が出たと主張し、その補填を求め交渉役のクレイグを日本に派遣する。しかし、実際には最初から賭郎の乗っ取りが目的であり、クレイグの分析を受けて、力ずくの乗っ取りではなく賭郎の流儀に従い、屋形越えを目指すようになる。その際に貘に目をつけ、挑戦条件を整えつつある彼から権利を奪おうと企てたために、貘の敵ともなる。 長らくシルエットの人物として描かれていたが、クレイグやヴォジャが死んだ後、プロトポロス編の直前において本格的に作中に登場する。そして創一・貘と対面し、貘と屋形越えの権利をかけての卍勝負を行なうこととなる。ゲーム内ではすぐに頭角を表し、皇帝への最有力候補となるものの貘の罠にはまり、中盤で事実上、卍勝負の負けが確定する。一方で、トルベによる島外からの介入などの策も講じており、不正手段で強引にプロトポロスという場のルールを捻じ曲げ、貘とのエア・ポーカー対決まで持ち直す。手札が有利なことも手伝い勝負を優勢に進めていたが、貘の罠や、貘とハルの機転によって最終5回戦で敗北する。その後、最善手を打っても負けていたと認識し、素直に死を受け入れようとする一方で隙を見せた貘を道連れにしようとする。しかし、この隙すら貘が仕掛けた最後の罠であり、道連れに失敗したばかりか、これによって実は勝てた可能性があったことを気づかされ、激しい後悔と憎悪に苛まれながら溺死する。これらはラロの不要な介入で伽羅などが亡くなったことに対して、達観した死を許さないという貘の復讐だった。 不慮の死を遂げた場合は死体をダイヤモンドにするよう遺言しており、死体をアノマに回収される。ラロの生体情報を含んだダイヤは、その後にアノマを通して貘に手渡され、貘と悪徳者達の戦いのきっかけとなる。また、ラロ自身が彼が世界に乱れを引き起こす7人の「悪徳者達」の1人であったことが明かされる。実は遺体は正中線で両断されており、遺言どおりにダイヤにされたのは右半身のみで、残りの左半身はアビ・カーンに横取りされてオブジェにされている。 ビリー・クレイグ アイデアルの構成員でラロの腹心。別名「カラカル(黒耳の捕食獣)」。 大柄な体格の白人男性。ステレオタイプな片言の日本語を話す。表面的にはフレンドリーかつユーモアのある人物で女好きの一面も見せるが、その実は意図して人を食ったような言動をとり、本性は凶暴で日本人を「猿」呼ばわりもする。伽羅や夜行丈一と互角に渡り合う程の高い戦闘能力を持つ上で、頭脳も明晰であり、常に自分が有利になるよう場をコントロールする智謀を兼ね備えている。能輪からは「嘘喰いと暴力が一体となったような男」と評されるが、本人はギャンブルは嫌いだと公言する。また、左耳に虎の縞の様な黒い痣を持つ特徴があり、能輪より「カラカル(黒耳の捕食獣)」と呼称されている。口癖は「DIE YOBBO(死ね、弱者)」。 戦闘能力は非常に高く、グリス・李といったA級クラスでも一瞬にして首を180度に捻転させるほどだが、睡眠状態となった時に夜驚症や夢遊病に似た症状を見せ、更に異常な強さを誇る。脳内物質の異常分泌によって極めて高い凶暴性と身体能力を発揮するようになり、周囲の人間全てを虐殺する理性なき怪物へと変貌する。この時の獣のような状態を特に「カラカル」と作中で呼ばれる。これは自然睡眠ではない麻酔薬や単純な昏倒などでも発症する。ただし、発症中は痛覚・意志疎通能力・記憶の喪失といった症状があり、本人にとっても生命の危険があるとされる。それゆえに普段から自身の強い意志で、ほとんど眠らないように努めている。旅客機での移動もファーストクラスの座席を買い占めて眠らないために客室乗務員と会話することを趣味とする。 作中には廃坑編の直後に佐田国のテロ計画失敗による損失補填を求めて、アイデアルの交渉役として登場する。賭郎の実力を計った上で、彼らのルールに従い屋形越えで乗っ取る方向に舵を切り、そのために搦手や資金を集めていた貘の計画に介入し、Lファイルの横取りなどを狙う。業の櫓編においてマーティンと共にタワー内に潜入し、Lファイルと500億円の簒奪を企むが、同様に潜入していた鞍馬組と戦闘になる。雹吾とレオの2人を相手に善戦するが、蘭子に麻酔弾を撃ち込まれて一度は敗北する。ところが、それによって上記の異常状態に覚醒し、雹吾を瞬殺してレオと蘭子を追い込む。その後、マルコの介入を受け、ロデム状態の彼とも渡り合う。しかしロデム状態から更に覚醒したマルコの一撃により敗北、相打ちになる形でタワーから300メートル以上落下し、地面に叩きつけられる。大ダメージを負ってまだ生きていたが、やってきたマーティンに「ニコラ」とみなされ、息の根を止められる(ニコラについては#業の櫓編のニコラの項を参照)。 その後もしばしばラロの回想などといった形で登場し、バトルシップ編でヴォジャが輸送していたダイヤの正体も彼の死体から作られたものであった。また、そのダイヤを作ったのがアビ・カーンであり、ダイヤにされず残った右半身は彼のコレクションになっている。 捨隈 悟(すてぐま さとる) アイデアルの構成員で鞍馬組組員。賭郎会員。専属立会人は亘。業の櫓編の主要人物。 黒のロングヘアーをオールバックにした体格のいい青年。28歳。後述する壮絶な過去より、驚異的な精神力を持ち、人並みに感情を表現できないため、貘の観察力を以ってしても全く本心を見抜けない。そして優れた洞察力を持ち読み合いにも長けている。しかし、同時に「自分が憐れで不運な存在である」と盲目的に信じており、安易なやり方を徹底して避け、目前にある勝利すら全く信じないという偏った思考回路を持つ。 その出自は中国の黒孩子。物心つく前後から奴隷を飼育・出荷する「人間牧場」で労働力や男娼として扱われてきたが、13歳の時に管理者の一人を殺害して逃亡する。浮浪児として過酷な環境で「生きること」のみを追求していくうちに、強靭な精神と自分が勝てる人間・勝てない人間を見極める異能を身に付けていき、大人になってから人間牧場の主であった党幹部を殺害して復讐を果たしたという経歴を持つ。時期は不明だがアイデアルの構成員となり、捨隈悟を名乗って鞍馬組に潜入、同じくアイデアルの協力者であった梟から八百長で賭郎会員権を入手するなど、アイデアルの作戦のための機を伺っていた。 業の櫓編において、Lファイルによって悪事を暴露されたくない大物政治家・猫登の代打ちとして登場するが、貘が勝負を了承した途端に猫を殺害する。そして雹吾を相棒に500億円を賭けて賭郎勝負「血の教誨師ドティの部屋」で、貘・マルコペアと戦うこととなる。当初は、屋形越えの権利の横取りを企む鞍馬蘭子の差金と思われていたが、実はそれすらも騙しであり、後にアイデアルの構成員であることが明らかとなる。貘との勝負においては、元来の能力の高さ以外にも、鞍馬組やアイデアルの支援を受けて有利に進め、貘を追い込む。しかし、さらにその一歩先をいく貘の策謀に敗れる。最後に弟(雹吾)を亡くした蘭子から貘の玉の数を当てれば見逃すというゲームを提案されるが、「目前にある勝利すら全く信じない」という心理を貘に利用されて失敗し、蘭子の銃撃を受け倒れる(この時点で生死は不明)。 後にプロトポロス編において、捨隈を弟として行方を探していたロバートKに対し、銅寺が鞍馬組にいると教えるなど、生きていることが示唆されている。 マーティン・ブルース・ホワイト アイデアルの構成員。名の知れた殺人鬼。 表面的には臆病で気弱なアメリカ人の青年。献身的で人懐こく善良な人間に見えるが、その実は標的を自らの親近者や友人などに見立てて殺害し、その哀しみを糧にする快楽殺人鬼。殺人鬼の通称として「グリーフ(悲しい)マーティン」と呼ばれる。 幼少時、病弱だった親友のニコラに頼まれ、幇助殺人を行った過去を持ち、これによって上記の特異な殺人衝動を持つようになったという。また、業の櫓編の最終盤で明かされた事実として、ニコラを殺そうとしてその両親を殺害したところで取り押さえられてしまい、肝心のニコラを殺すことはできず、いつか彼を殺すことを念願としていた。 廃坑編直後の賭郎とクレイグの交渉時に、クレイグの部下の一人として作中に初登場する。この時は李を友人に見立てて殺害しようとするが一蹴され、特に活躍はない。迷宮編で端役で登場するなどした後、業の櫓編で再登場し、クレイグと共にタワーに潜入して、鞍馬蘭子と交戦する。AED(自動体外式除細動器)を利用して感電させようとするが、彼女の策に嵌って自分が感電し、重傷を負って行方をくらます。その後、編の最終盤においてタワーから落下し重傷を負って身動きが取れないクレイグの前に瀕死の状態で現れ、殺し損ねたニコラだと気づいていたセリフを述べた後、彼を殺害し、そのまま力尽きる。
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アイデアル(Ideal)
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ビンセント・ラロ率いる国際的な犯罪組織。一般には知られていないが、数々の事件の黒幕とされ、莫大な利益や権益を得ているとされる。またボスの正体がまったくわからないのも特徴とされ、構成員であってもボスのラロに会ったことはおろか、その名前すら知らない。作中では賭郎の乗っ取りを企み、その過程で貘の妨害を行う第三勢力として振る舞う。
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