通行止め 道路標識

通行止め

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/26 02:06 UTC 版)

道路標識

日本において通行止めの規制をする場合には、図示の各種の道路標識を、規制をする道路の両端に設置して行うことが基本である。

規制主体

道路交通法第4条に基づき都道府県公安委員会または方面公安委員会(以下、単に「公安委員会」)や第5条第1項に基づき警察署長が道路標識等を設置して行う場合、道路法第46条に基づき道路管理者が道路標識等を設置して行う場合がある。

また、公安委員会または警察署長は、緊急のためなどにより道路標識等の設置が間に合わない場合には、警察官の現場における指示により、通行止めの規制をすることができる。また、警察官は、危険の防止や渋滞の解消など特に理由があり緊急を要する場合には、現場における判断により通行止めの規制をすることができる。

道路管理者が任命した道路監理員は、道路保全や危険防止のために必要な限度において、一時的に道路の通行を禁止し、又は制限することができる。

通行止め道路標識の例

適用

  • 「通行止め(301)」は、歩行者も含め、車両路面電車全てが対象となる。
  • 「車両通行止め(302)」は、歩行者以外の全ての車両が対象となる。実質的には「歩行者専用 (325の4)」と同じ効力を持つ。
  • 「二輪の自動車以外の自動車通行止め(304)」は、二輪の自動車以外の自動車、すなわち三輪以上の自動車が対象となる。一般原動機付自転車は何輪であっても対象外だが、ミニカー小型特殊自動車は対象となる。なお、側車付き自動二輪・特定二輪車は対象外で、構造上三輪以上(トライク)は対象となる。
  • 「大型貨物自動車等通行止め(305)」は、大型貨物自動車特定中型貨物自動車大型特殊自動車が対象となる。
  • 「特定の最大積載量以上の貨物自動車等通行止め(305の2)」は、貨物自動車(大型、特定中型、中型、準中型、普通)および大型特殊自動車であって、図示の最大積載量「以上」のものが対象となる。(※車両重量車両総重量や実際の総重量ではない
  • 「大型乗用自動車等通行止め(306)」は、大型乗用自動車特定中型乗用自動車が対象となる。
  • 「二輪の自動車・一般原動機付自転車通行止め(307)」は、自動二輪車と一般原動機付自転車が対象となる。側車付き自動二輪・特定二輪車は対象となるが、構造上三輪以上(トライク)の自動車は対象外である。
  • 「自転車以外の軽車両通行止め(308)」は、自転車以外の軽車両が対象となる。具体的には荷車、手押しの台車人力車そりなど。[注釈 1]
  • 「特定小型原動機付自転車・自転車通行止め(309)」は、特定小型原動機付自転車自転車が対象となる。[注釈 2]この標識があって歩行者の通行が禁止されていない場合、自転車は手押しの状態でのみ通行可能である。
  • 「車両(組合せ)通行止め(310)」は、記号によって図示される種類の車両が対象となる。よくあるのは、「二輪の自動車以外の自動車」と「二輪の自動車・一般原動機付自転車」の組み合わせ、「大型貨物自動車等」と「大型乗用自動車等」の組み合わせ、「自転車以外の軽車両」と「自転車」の組み合わせである。
  • 「危険物積載車両通行止め(319)」は、道路法に規定する危険物を積載する車両の通行を禁止する(水底トンネル等における危険物積載車両の通行禁止・制限)。
  • 「重量制限(320)」は、実際の総重量が図示の重量を「超える」全車両が対象となる。(※車両重量車両総重量最大積載量ではない
  • 「高さ制限(321)」は、積載物を含む実際の高さが図示の高さを「超える」全車両が対象となる。
  • 「最大幅(322)」は、積載物を含む実際の幅が図示の幅を「超える」全車両が対象となる。
  • 「歩行者通行止め(331)」は、歩行者だけが対象となる。自転車の通行が禁止されていない道路にこの標識がある場合、自転車を手押しで通行するのは禁止である[注釈 3]

時間帯による違い

僻地で通行閑散な狭隘道路や観光地の道路等において特定の時間帯、または暴走族や走り屋対策として深夜時間帯などに(車両)通行止めの規制をしている事がある。


注釈

  1. ^ 詳細は軽車両を見よ。なお、「大八車通行止め」と言う俗称もあるが、例示のとおり大八車に限定されない。
  2. ^ 一部で「本道路標識(309)の自転車の絵柄は普通自転車を表す」ことを根拠として「普通自転車(のみ)通行止め」と説示する向きがあるが、誤りである。(別表第一 規制標識 特定小型原動機付自転車・自転車通行止め(309) 「交通法第八条第一項の道路標識により、自転車の通行を禁止すること。」) なお、別表第2 備考一(六)車両の種類の略称において、補助標識や道路標示にある「自転車」と言う文字は「普通自転車」を意味する。
  3. ^ ただし実際にはこの標識がある道路では自転車も併せて通行禁止になっている場合が多い。
  4. ^ 道路交通法第8条第1項を根拠とする道路標識または道路標示(同法第4条)。
  5. ^ ただし、他に規制対象を明確にした通行止めの道路標識が設置されている場合はこの限りではない。
  6. ^ 道路交通法第2条第1項第3号の3の自転車道を示す道路標識となる場合は対象外
  7. ^ 道路交通法第63条の4第1項第1号の普通自転車の歩道通行可を示す道路標識となる場合は対象外
  8. ^ a b 道路運送車両法小型特殊自動車である農耕作業用自動車とその被牽引車
  9. ^ なお、道路管理者は道路交通法第2条第1項第3号の3の自転車道を示す道路標識を設置しない(権限外)
  10. ^ なお、道路管理者は道路交通法第63条の4第1項第1号の普通自転車の歩道通行可を示す道路標識を設置しない(権限外)
  11. ^ ただし、不法の目的で侵入した場合には(「平穏侵害説」)住居侵入罪の適用も考えられる。

出典







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