縮尺とは? わかりやすく解説

しゅく‐しゃく【縮尺】

読み方:しゅくしゃく

[名](スル)地図設計図を、実物より縮めて描くこと。また、その縮小する場合一定の比率。ふつう、分子を1とする分数、または比の形で示す。「100分の1に—した見取図


しゅくしゃく 縮尺 scale

実物の形を図面上で表現するために実際大きさより小さく描くことがあり、実物大との長さ比率をいう。現寸は実物大である。建築では詳細図(1/2、1/5、1/20など)から配置図案内図のような1/200、1/400、1/600、1/1000など大きな縮尺のものがある。

縮尺

縮図において、図形をちぢめた割合を縮尺という。

[縮図]

左の図は右の図の[数式]縮図であり、縮尺は[数式]である。

参考

縮尺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/08 16:17 UTC 版)

縮尺(しゅくしゃく)とは、一般にある物の形を模した物や図面(模型設計図地図など)の1辺の長さの、実物の1辺の長さとのをいう。縮尺が1/10とは、実物の1 mが10 cmに、実物の10 mが1 mになっていることを示す。模型に関しては「スケールモデル」を参照。地図の場合の縮尺は、地図上の距離と実際の距離の比である[1]

縮尺の大小

通常、縮尺は比の値として単位分数(分子を1とする分数)で表されるが、この時の分母に相当する数値を縮尺分母と呼ぶ。縮尺分母が大きい場合、「縮尺が小さい(比の値が小さいので)」と言い、縮尺分母が小さい場合「縮尺が大きい」と言う。例えば1/10の図と1/100の図を比べると、「1/100の図は小縮尺」であり、1/100の図と1/1000の図を比べると「1/100の図は大縮尺」である。

要するに、縮尺の大小=分数の大小であると言え、縮小の度合いとは逆である。大縮尺地図のほうが小縮尺より細かいところまで判る。

縮尺以外の尺度用語

  • 倍尺(ばいしゃく) - 図面や模型が実物より大きい場合、1辺の長さの、実物の1辺の長さとの比をいう。小さな部品の設計図、小さな生物の模型などにある。「5/1」と記されていると、実物の5倍である。
  • 現尺(げんしゃく) - 図面や模型が、実物と同じ大きさの場合をいう。「1/1」と記し、実物大ともいう。
  • Not to scale(略号:NTS) - 図面が均一の縮尺でない場合、あるいは縮尺という概念なしで作成されている場合に、その図面の尺度の欄に記す語。配線図、配管図、路線図などはこれに当たる。

地図の縮尺

地図の場合、縮尺の分数表記をコロンで記すことがある。縮尺1/2500の場合、「1:2500」のように記す。

地図上の距離と実際の距離の換算

地図上の距離から実際の距離への換算は、以下の計算式による。

地図上の距離×縮尺分母=実際の距離

例えば、「1/25,000の縮尺(地図)」の場合、地図上の1 cmの実際の距離は25,000 cm (=250 m) である。

地図の大・中・小縮尺

日本の国土地理院の地図の場合、慣例として、1/500〜1/2500を大縮尺、1/1万 (10-4)〜1/5万を中縮尺、1/10万 (10-5) より小さい場合を小縮尺という。詳細は地形図を参照。

十進法以外の縮尺

の倍数」進法を用いると、例えば十二進法なら1/20,736(十二進表記で1/10,000)、六進法なら1/46,656(六進表記で1/1,000,000)が大きな基準値となる。また、「の倍数」進法でも二十進法なら1/160,000(二十進表記で1/10,000)が大きな基準値となる。

尺貫法ヤード・ポンド法が主流だった時代に、地図の縮尺としては「1町が地図上で1分」「1マイルが地図上で1インチ」の方が理解しやすく、そのような縮尺で地図が作成された。縮尺の呼称もそのまま「一町一分」「1 inch to 1 mile」等であったが、十進表記だとこれらは1/36,000と1/63,360である。

ところが、メートル法の導入によって十進法以外の縮尺体系が不便となり、多くは1/50,000など十進法としてキリの良い縮尺に置き換わったが、一部に昔の縮尺体系が残っている場合もある。また、十進法でキリの良い縮尺に置き換えた後に、たとえば1/25,000の地図において「2 1/2 inch to 1 mile」と近似縮尺を表示する場合がある (2.5 inch to 1 mile は 1/25,344)。

垂直縮尺を大きくする場合

高さ方向を実物に似せた、山脈の断面図とか立体地図模型(ジオラマ)などを作成する場合、水平方向の縮尺に対して垂直方向の縮尺を大きくすることがある。例えば静岡県の立体地図模型を水平縮尺1/10万で作ると、幅は約1.5 mになるが、垂直縮尺も1/10万とすると富士山でさえ3.7 cmの高さにしかならない。そこで、垂直縮尺を1/1万として、富士山の模型上の高さを37.7 - 37.8 cmすることなどが行われる。

縮尺の変化

球面や楕円体面を平面に投影する地図の場合、1枚の地図上であっても、地球表面での長さと地図上の長さの比は一定ではなく、場所や向きによって変化する。たとえば正距方位図法の場合、中心からの動径方向の縮尺は一定だが、それと直交する方向の縮尺は中心から離れるにつれて大きくなる。つまり一定した「縮尺」は存在しないのだが、地図の縮尺の目安を表示しないわけにはいかないので、いわゆる「呼び寸法」として縮尺が表示される。

正積図法の場合は面積比の平方根をもって縮尺とする。正角図法の場合、同じ点であれば向きによらず縮尺が一定であり、「呼び寸法」の縮尺に対する比をその点における縮尺係数と呼ぶことがある。正距方位図法における動径方向の距離など、地図の目的が明確な場合はその目的に沿う縮尺を表示する。しかし、縮尺そのものに大きな意味がないケースも多い。

脚注

  1. ^ 菅野 1987, p. 5.

参考文献

  • 菅野峰明・安仁屋政武・高阪宏行 編『地理的情報の分析手法』古今書院〈地理学講座〉、1987年。ISBN 4-7722-1228-0 

縮尺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/09 20:37 UTC 版)

ソリッドモデル」の記事における「縮尺」の解説

1930年代から1940年代にかけてイギリスアメリカで作られていた航空機ソリッドモデルは、1/72スケール1/48スケールのものが多く、これらの縮尺は後にプラモデル標準スケールとして受け継がれている。 1950年代日本発売されていた木製組み立てキットは、ほとんど縮尺が統一されていなかったが、キットによらず自作していたモデラーの間では、図面作成が容易で大きさ手頃な1/50 スケール航空機模型標準スケールとして定着したその後も1/50は主要スケールとして使用されているが、次第作る対象に応じて縮尺の多様化進み、1/50の倍および半分である1/251/100プラモデルと共通の1/32や1/144、更に大型の1/10や1/20などの模型作られている。

※この「縮尺」の解説は、「ソリッドモデル」の解説の一部です。
「縮尺」を含む「ソリッドモデル」の記事については、「ソリッドモデル」の概要を参照ください。

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縮尺

出典:『Wiktionary』 (2019/08/13 11:30 UTC 版)

名詞

しゅくしゃく

  1. 地図で、長さ実際より縮めた割合

翻訳


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