有機酸 有機酸の概要

有機酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/16 00:50 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

特徴

強酸性の無機酸(鉱酸)が水中で容易に解離するのに対し、一般に有機酸は弱酸であり水中でもほとんど解離しない。ギ酸酢酸のような分子量の小さい有機酸は水に溶けやすいが、安息香酸のような分子量の大きい分子は溶けにくい。一方ほとんどの有機酸は有機溶媒に対してはとても溶けやすい。パラトルエンスルホン酸は、比較的強い酸でしかも反応溶液にとけやすいため有機合成化学ではよく使われる。ただし、有機酸の極性に影響を及ぼす置換基があるときなどに例外が存在する。

用途

弱有機酸の構造。左からフェノールエノールアルコールチオール。酸性のプロトンを赤く着色している。
強有機酸の構造。左からカルボン酸、スルホン酸。酸性のプロトンを赤く着色している。

有機酸は塩酸フッ化水素酸のような無機酸に比べて金属と反応しにくい。そのため有機酸による反応は高温・長時間で行われる。クエン酸や酢酸など有機酸の塩基は、生物学においてしばしば緩衝液の中で使われる。

生物の代謝系はカルボキシル基、ヒドロキシ基を含むL-乳酸クエン酸そしてD-グルクロン酸といった有機酸を作り出す。ヒト血液尿にはそれらに加えてアミノ酸神経伝達物質の分解産物が含まれている。例えば、α-ケトイソカプロン酸、バニリルマンデル酸そしてD-乳酸はロイシンアドレナリン代謝産物である。

よく使われる有機酸

出典

  • Dibner J.J., P. Butin. 2002 - Use of organic acids as a model to study the impact of gut microflora on nutrition and metabolism. J. Appl. Poultry Res. 11:453-463
  • Patanen K.H., Z. Mroz. 1999 – Organic acids for preservation. Disinfection, sterilization & preservation (S.S. Block editor) Lea Febiger, Philadelphia PA.
  • Brul S., P. Coote. 1999 – Preservative agents in foods, mode of action and microbial resistance mechnismes. Intl. J. Food Microbiology 50:1-17

  1. ^ 『化学事典』 旺文社、2010年。


「有機酸」の続きの解説一覧




有機酸と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「有機酸」の関連用語

有機酸のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



有機酸のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの有機酸 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS