南 (上尾市) 地理

南 (上尾市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/10 15:26 UTC 版)

地理

埼玉県の中央地域(県央地域)で、上尾市北部の大宮台地上や芝川支流沿いの低地に位置する[6]。台地と低地との境は起伏が緩やかなため明瞭ではない[7]。 地区は上尾久喜線(べにばな通り)が通る西門前を挟み大きく南北に分かれ、北側は字新梨子や字北東谷(上平北小学校付近)、南側は字南東谷(上平公園付近)で大きく纏まっている。東側は大字菅谷、南側は上平中央、西から北にかけては大字久保西門前やその飛地と隣接する。南側は大字上尾村錦町とも僅かに隣接する。 境界線は東側の芝川の支流が流れる大字菅谷との境界は直線的な境界線だが、西側は周辺大字(大字上、西門前、久保)や、入会地由来の大小多くの飛地の境界が錯綜し、複雑な境界線を描いている。大字南の大小多くの飛地が北西から南東にかけて分布し、北は桶川市と上尾市の境界付近[8]、南は小敷谷吉田通線(はなみずき通り)の「平塚団地入口」交差点付近にも飛地がある[9]。大字南の地区内にも大字上の小さな飛地が複数ある。 地区は一部の飛地を除いたほぼ全域が市街化調整区域[10]に位置し、全体的には耕作地主体の農業地域であったが一部で宅地化も進行しており[8]、倉庫などの商業地のほか北部には青葉台団地や箕木住宅と称する纏まった住宅地も見られるが、人口の増加は周辺町丁や大字と比べると大字須ケ谷や菅谷と同様にかなり緩慢である[11]。北部は桶川駅から2 km圏内で、上尾市の中心地より桶川市の中心地の方が近い。

歴史

もとは江戸期より存在した武蔵国足立郡大谷領に属する南村、古くは桶川郷伊奈荘のうちにあり、江戸初期までは、桶川宿、上村、久保村、門前村などと共に一つの桶川村であったと云われている[6][12]。以降南村や上村などに分村したものと思われる[12]。村高は正保年間の『武蔵田園簿』では202余(田48石余、畑154石余)[13]、『元禄郷帳』によると198石余、『天保郷帳』によると210石余であった。化政期の戸数は36軒であった[6][12]。なお、村の規模は不明(久保 (上尾市)#歴史も参照)。1801年享和元年)頃より村では京都の紅花問屋との間で紅花の取引が盛んに行なわれるようになった[6][14]。 地名は桶川郷の南側に位置していたことによるものと云われている[6][12]。なお、1616年元和2年)の年貢割付状によると「桶川南村」の地名[6][12]1621年(元和7年)の年貢割付状によると「南在家村」の地名[注釈 1]1631年(寛永8年)では「桶川の内南村」の地名が見出せる[7]1875年(明治8年)の農業産物高は武蔵国郡村誌によると米27石、6石、大麦62石、小麦17石、大豆7石、小豆3石、栗8石、6石、蕎麦4石、甘藷13320貫であった[15][注釈 2]

存在していた小字

※登記簿上は今もなお存在する小字を含む。

世帯数と人口

2019年(平成31年)1月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[2]

大字 世帯数 人口
大字南 471世帯 1,129人

注釈

  1. ^ 『新編武蔵風土記稿』では元和8年[12]
  2. ^ その他清酒291石、薪700束[15]
  3. ^ 『上尾市史 第八巻 別編1、地誌』 488頁では1624年(寛永元年)岩槻藩阿部氏領となる、と記されている。
  4. ^ 武蔵國郡村史』や『新編武蔵風土記稿』では「原」とも。[12]
  5. ^ 『新編武蔵風土記稿』に記述あり[12]

出典

  1. ^ 統計あげお 平成31年・令和元年版 第1章 土地・気象”. 上尾市役所. p. 2 (2020年6月1日). 2020年6月22日閲覧。
  2. ^ a b 町丁大字別人口表”. 上尾市役所 (2017年10月6日). 2019年6月30日閲覧。
  3. ^ a b 郵便番号”. 日本郵便. 2019年6月30日閲覧。
  4. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月30日閲覧。
  5. ^ 単位料金区域別市外局番等一覧表”. NTT東日本. 2020年6月7日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』 819頁。
  7. ^ a b c d e 『上尾市史 第八巻 別編1、地誌』 487-493頁。
  8. ^ a b 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』 929頁。
  9. ^ Googlemap - Google.2019年6月30日閲覧。
  10. ^ 都市計画図がご覧になれます。 - 上尾市役所(2014年9月5日).2019年6月30日閲覧。
  11. ^ a b 『上尾市史 第八巻 別編1、地誌』 495-497頁。
  12. ^ a b c d e f g h i 新編武蔵風土記稿.
  13. ^ 東京市『東京市史稿. 市街篇第六附錄』東京市、1928年、86-87頁https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3450753/49 
  14. ^ 広報広聴課 (2015年8月). “上尾歴史散歩293 上尾と紅花(広報あげお 平成27年8月号 No.977)”. 上尾市役所. p. 35. 2019年7月1日閲覧。
  15. ^ a b 『上尾百年史』 250-254頁。
  16. ^ 『上尾百年史』 25頁。
  17. ^ 『上尾百年史』 26-30頁。
  18. ^ 『上尾市史 第八巻 別編1、地誌』 117-123頁。
  19. ^ a b c 学校沿革史” (PDF). 上尾市立上平小学校(上尾市教育委員会) (2020年4月1日). 2020年6月7日閲覧。
  20. ^ 『上尾百年史』 98-116頁。
  21. ^ a b 沿革”. 上尾市立上平中学校(上尾市教育委員会) (2012年8月23日). 2019年7月1日閲覧。
  22. ^ a b 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』 1421頁。
  23. ^ 『上尾市史 第五巻 資料編5、近代・現代2』 557-558頁。
  24. ^ a b 上尾市の土地区画整理事業”. 上尾市役所 (2020年3月1日). 2020年6月22日閲覧。
  25. ^ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』 818頁。
  26. ^ 『上尾百年史』 234-235頁。
  27. ^ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』 929頁。
  28. ^ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』 818頁。
  29. ^ 『上尾百年史』 235頁。
  30. ^ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』 928頁。
  31. ^ 学校の沿革”. 上尾市立上平北小学校(上尾市教育委員会) (2011年4月8日). 2019年7月1日閲覧。
  32. ^ 『上尾市史 第五巻 資料編5、近代・現代2』 707-709頁。
  33. ^ 『埼玉県公民館連合会創立40周年記念誌「埼玉の公民館」』埼玉県公民館連合会、1989年11月8日、192-195頁。 
  34. ^ 上尾市のあゆみ - 統計あげお平成23年版” (PDF). 上尾市役所. pp. 136-144 (2012年3月). 2014年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月7日閲覧。
  35. ^ 平成10年度当初予算の重点項目について”. 上尾市役所 (1998年). 1999年1月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年7月1日閲覧。
  36. ^ 広報あげお 2018年7月号(No.1012)” (PDF). 上尾市役所. p. 6 (2018年7月). 2019年7月1日閲覧。
  37. ^ 上平第三地区の町名地番の変更”. 上尾市役所 (2016年11月2日). 2019年6月30日閲覧。
  38. ^ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』 1389頁。
  39. ^ 市内小・中学校通学区一覧”. 上尾市役所 (2018年4月1日). 2019年6月30日閲覧。
  40. ^ 菖蒲営業所管内路線図 (PDF) - 朝日自動車(2017年7月31日).2019年6月30日閲覧。
  41. ^ ぐるっとくん 上尾市内循環バスROAD案内マップ (PDF) - 上尾市役所.2020年2月8日閲覧。
  42. ^ 自治会・町内会・区会に加入しましょう”. 上尾市役所 (2021年3月15日). 2022年6月10日閲覧。
  43. ^ 指定緊急避難場所・指定避難所・福祉避難所”. 上尾市役所 (2022年2月14日). 2022年6月10日閲覧。





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