トーナメント方式 ダブルイリミネーション方式

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トーナメント方式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/25 05:55 UTC 版)

ダブルイリミネーション方式

8人参加のダブルイリミネーション式トーナメントの例

1度負けたらそこで敗退となるシングルイリミネーション方式と違い、2敗した時点で敗退となる方式。

eliminationの発音は /ɪˌlɪməˈneɪʃən/ もしくは /əlɪməˈneɪʃən/ であり、カナ表記はイリミネーション、エリミネーションのいずれでも構わない。また、日本のプロボウリング競技においてはダブルイルミネーションと表現される。これは日本のボウリング界が電飾の意味の「イルミネーション (illumination)」と混同したことによる。

方式

通常のシングルイリミネーショントーナメントを行い決勝進出者を決め(勝者サイド)、それと同時に1敗した者同士の間でもシングルイリミネーショントーナメントを行い決勝進出者を決める(敗者サイド)。この2者で決勝戦を行い優勝者を決定する。完全ダブルイリミネーションの場合、決勝戦で敗者サイドを勝ち上がった者が勝った場合、決勝の再戦(リセットと呼ばれる)を行う。将棋の棋王戦が「挑戦者決定戦で勝者側は1勝でよいが敗者側は2勝必要」という方式を採用している。

予選等で勝者サイド・敗者サイド共に次ラウンドに進める場合、決勝戦で敗者サイドを勝ち上がった者が勝った場合でもそのまま優勝者とみなされる場合や、決勝戦は行わずに勝者サイドを勝ち上がった者を1位、敗者サイドを勝ち上がった者を2位とする場合もある。

  • 例図では優勝は「G」、準優勝は「E」、3位は「A」、4位は「H」となる。もし決勝試合(8)で勝者サイドの「G」が敗者サイドの「E」に負けたときは双方とも1敗ということになり、再試合を行うと規定する場合がある。たとえば前記の将棋の棋王戦は当初決勝戦の勝者が挑戦となっていたが、「勝者側の決勝戦進出者に敗者復活が認められないのは不当」との声が上がり「挑戦者決定戦で勝者側は1勝でよいが敗者側は2勝必要」という方式に変更された。

利点と欠点

組合せによる有利不利を軽減することができるが、試合数が倍になる。また、同じ対戦カードが複数回起こりやすい(工夫次第で発生しにくくはできる[5]が絶対に発生しないようにはできない[6])、決勝戦に進出するチームのどちらかは必ず1敗していることになる。

また、総当たりのリーグ戦やリーグ戦とシングルイリミネーション方式のトーナメントを組み合わせた方式(グループリーグ+決勝トーナメント)より複雑で試合数や日程、手間がかかることがある。例えば例図のように出場者数が8の場合、1回戦敗者数は4、2回戦敗者数は2、決勝戦敗者数は1となる。1回戦敗者4つで敗者復活1回戦を行い、その勝者2つが2回戦敗者2つ敗者復活2回戦を行うことになるが、敗者復活2回戦勝者は2つに対して決勝戦敗者は1つとなるため、敗者復活2回戦勝者によってさらに敗者復活3回戦を行わなければならない。そのため勝者側トーナメントを全勝して優勝すれば優勝までの試合数は3試合で済むが、1回戦で敗退すると敗者側のトーナメントを勝ち上がって優勝しても優勝まで7試合もかかってしまう(決勝戦で敗者側トーナメント勝者が勝った場合に再試合を行う場合)。このように敗者側トーナメントは2回戦までは勝者側トーナメントと同じ試合数で進むが、3回戦以降は勝者側の2倍ずつ試合をしていかなければならなくなるため、出場者数が増えるとリーグ戦よりも試合数が増えてしまう。

適用例

  • ボウリング競技[7]ビーチバレー対戦型格闘ゲームの大会で用いられている。
  • 将棋では棋王戦(前述。ベスト4進出者で実施)や清麗戦の予選がダブルイリミネーション方式を採用。清麗戦の採用は、女流棋士の対局機会を増やす意図で設定されたものであり、試合数が倍になるというデメリットを逆手に取ったものである。また竜王戦ランキング戦の昇級者決定戦も事実上のダブルイリミネーション方式といえる(本戦出場者決定戦で一度敗れた棋士が昇級者決定戦に回り、ここで無敗で勝ち残ると昇級)。なお、かつては棋聖戦(ベスト16進出者で実施し、2敗せずに勝ち残った8名が挑戦者決定トーナメントに進出)でも採用されていた。
  • 2009 ワールド・ベースボール・クラシックの1次・2次ラウンドでも採用されたが、日本と韓国が決勝までに5回対戦するなど、同じ対戦カードが複数回起きるという欠点も露呈した(この教訓から、2013 ワールド・ベースボール・クラシックでは2次ラウンドのみの採用となった)。決勝の再戦を行わない場合、同じ相手との対戦は最大で2回までとなる[8]が、このケースでは1次・2次ラウンドそれぞれ独立のトーナメント表が組まれたためにそれぞれ2回ずつの対戦が生じてしまった。
  • 解説例の様な参加全チームに同様な権利(2敗するまで残れる)が与えられてはいないが、全日本大学野球選手権大会第25回大会(1976年)で勝者側トーナメントのベスト4進出チームにのみ対象の変則ダブルイリミネーション方式が採用された。結果は、敗者サイド進出チーム(勝者サイドでの準々決勝敗退チーム)が優勝を決めた(対戦としては1度目)が、大会終了後に不評の意見が多く出て、同方式の採用はこの年限りで消滅した。これと同じように全国中等学校優勝野球大会の第2・3回大会でもこれとほぼ同じ形の敗者復活式トーナメントがあったが、敗者復活チームが優勝したことによる異論から廃止された経緯もある(第3回全国中等学校優勝野球大会参照)
  • 柔道では決勝進出者は勝ち残り式で決められるが、決勝以外で敗退した選手のうち準決勝進出者に敗退した選手のみでステップラダー方式で敗者復活戦を行い、最後に準決勝敗退者と決定戦を行い3位を決定するという変則的なダブルイリミネーション方式をとっている。
  • 都市対抗野球大会の地区予選ではかつてこのダブルイリミネーション方式で1回戦からすべての敗者が敗者復活トーナメントへの参加する方式を行っていた地区があったが、上記のような試合数が激増する欠点から現在では敗者復活戦への参加が認められるのは東海地区予選を除き上位4~12チームのラウンドのみとなっている。
    • 東海地区予選では2次予選に進出した16チームすべてに敗者復活のチャンスがあるが、下記のように準決勝・決勝敗者による敗者復活トーナメント(第2代表決定戦)と1回戦・準々決勝敗者による敗者復活トーナメント(第3代表決定戦)が分離されている

  1. ^ 例:[1]第89回選抜高等学校野球大会要項
  2. ^ 例えば1レースに4人ずつ参加する形態の場合、8人が準々決勝から準決勝へと進むことになり、まず、1組4人ずつで準決勝2レースを行い、その結果に従って準決勝各組の1着と2着の者は決勝へ、準決勝各組の3着と4着の者は5~8位決定戦に回ることになる
  3. ^ 例えば参加10チームのトーナメント大会の場合、通常は不完全な二分木構造のトーナメント表となり、一般的には1回戦からは4チーム、他の6チームは2回戦からとなる。しかしながら、2回戦からの6チームが必ずしもすべてシードとは限らず、シード対象が存在していない場合もあれば、シード対象が1回戦からとなる設定・運営方法もあり得る。このように、シード対象はあくまでその大会の運営側の設定基準に拠るものである。
  4. ^ 高校サッカーの県大会のトーナメント表、なんだこれwww
  5. ^ 上記の例では2回戦で負けたCとEを裏街道では逆の山に入れることによって裏街道の2回戦でいきなり同一対戦カードが発生することはなくなっている。
  6. ^ 無敗どうしで対戦した両者が決勝まで進出した場合。例えば、第1期清麗戦では、予選4回戦で対局が組まれた甲斐智美里見香奈の両者が予選・本戦を勝ち抜き、五番勝負で再戦することとなった。
  7. ^ 例: 第31回ABSジャパンオープンボウリング選手権 ただしダブルイルミネーションと表示し誤っている
  8. ^ 勝者サイドで1回・敗者サイドで1回。または、勝者サイドで1回・決勝戦で1回(再戦を行う場合は決勝戦で最大2回、合計3回)。




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