キッズコンピュータ・ピコ
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その他
互換機
ピコの互換機としてヤマハからはミクストブックプレーヤー コペラ (MIXT BOOK PLAYER COPERA) が、イマジニアからは育脳塾(いくのうじゅく)が発売された。いずれも1990年代後半までに本体、対応ソフトとも販売を終えた。
後述のとおり、ソフト互換性としては育脳塾=ピコ<コペラとなっている。
ミクストブックプレーヤー コペラ
メーカー | ヤマハ |
---|---|
種別 | 据置型ゲーム機 |
発売日 | 1993年12月1日[5] |
CPU | MC68000 |
対応メディア | ミクストブック(ロムカセット) |
コントローラ入力 |
タッチペン(有線) ボタン(本体据え付け) |
外部接続 |
マイクロフォン端子3.5mm2極 MIDI出入力端子 拡張コントロール端子 |
互換ハードウェア | キッズコンピュータ・ピコ |
1993年12月1日発売。メーカー希望小売価格は税抜3万5000円[5]。通称コペラ。メーカー型番はMMG-1。セガとの共同開発品としてピコへ音楽教育に対応した機能を追加した上位互換機。ピコ用の絵本ソフトは全て使用でき、コペラ専用に用意された音楽教育絵本ソフトミクストブックも使用できる。反対にミクストブックをピコで起動しても、警告画面が表示されるのみで使用できない。当時のテレビCMでは「ピコのお兄さん」と表現された。マスコットキャラクターは機器名と同じコペラ。
配色は紫がかった水色と濃灰色および薄灰色を基調とし、タブレット横の操作ボタンもピコより淡い色調にされた。外装は端子部を除きピコの初期モデルと同一であり、拡張コントロール端子の名称でメガドライブ用コントローラと同様の9pin端子が用意されている。ピコと色違いのタブレットシートのほか鍵盤の描かれたタブレットシートも同梱された。
追加された機能は以下の通り。これらはミクストブック使用時のみ機能する。
- FM音源の内蔵と音声出力のステレオ化。
- 本体へ音声入力マイクの接続端子が設けられるとともにマイクが同梱され、音声認識による操作やカラオケが可能。
- MIDI出入力の追加。MIDI音源と接続することで効果音が追加される。
ヤマハの音楽教室で教材として使用されたほか、楽器店や大手スーパーでの一般販売も行われた。ミクストブックは全10本発売され、本体と同時発売されたミクストブック『メロディランド』『コペラのタイムマシン』『ドレミファ伝説』の価格はピコ用絵本ソフトの2倍以上となる税別8,500円に設定された。
育脳塾
型番はIMC-001。基本性能や外形はピコのHPC-0003と同一の相互互換機で、違いは本体やタブレットシートの色、ロゴの変更、タッチペンの呼称が「ハイパーペン」に変更された程度となる。オリジナルの育脳塾とは別に、北米版ピコ(SEGA Pico)の余った在庫を育脳塾として発売もなされた。
育脳塾ソフトはすべてピコで使用することができ、反対にピコソフトを育脳塾で使用することもできる。育脳塾ソフトの中にはピコソフトとして再発売されたものも存在し、ピコ版の箱にも育脳塾のロゴが併記された。
育脳塾ソフトの説明書はピコソフトの物に準じて作成されており、構成や注意文・警告文もほぼ同一である。しかしピコソフトでは「楽しむ、遊ぶ」とされた表現が育脳塾ソフトではすべて「勉強する、学習する」などの表現に置き換えられ、学習目的の利用が強調された。
ただ、育脳塾ソフトは、所有者のほとんどがピコユーザーであり、機種としての育脳塾はよほど売れなかった割にキッズコンピューター・ピコ本体が品薄の状態であったため、オリジナルの育脳塾本体の在庫をセガが引き取ったうえで、前述の通りキッズコンピューター・ピコの『HPC-0003A』として発売されたので、育脳塾ソフトは、本体の販売が終了した後も引き続き発売された。
絵本ソフトに採用されたキャラクターや題材
絵本ソフトではアニメなどで有名なキャラクターを導入役として採用することが多い。ピコソフトのために独自制作されたキャラクターを使用したソフトや、勉強を主目的としキャラクターが存在しないソフトもある。
本体と同時、または同時期に発売されたソフトは以下の通り。子供世代、親世代の両方になじみのある有名なキャラクター、テレビ番組が選ばれた。
- 『ドラえもん のびたとまいごのきょうりゅう』- ドラえもん
- 『ミッキーのゆかいなぼうけん』- ミッキーマウス
- 『ドナルドのおばけたいじ』- ドナルドダック
- 『ハローキティのたのしいぶとうかい』- ハローキティ
- 『ひらけ!ポンキッキ パーティーをひらこう!』- ひらけ!ポンキッキ
題材の一覧
- テレビアニメ
- ドラえもん、それいけ!アンパンマン、ポケットモンスター、美少女戦士セーラームーン、キテレツ大百科、楽しいムーミン一家、ノンタンといっしょ、平成天才バカボン、3丁目のタマ うちのタマ知りませんか?、魔法騎士レイアース、怪盗セイント・テール、キューティーハニーF、勇者シリーズ、忍たま乱太郎、おじゃる丸、夢のクレヨン王国、おジャ魔女どれみ、ゲゲゲの鬼太郎、明日のナージャ、ふたりはプリキュア、とっとこハム太郎、しましまとらのしまじろう、クレヨンしんちゃん、ちびまる子ちゃん、世界名作劇場、甲虫王者ムシキングなど
- 特撮ヒーロー
- ウルトラマン、ゴジラ、仮面ライダークウガなどの平成仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズ、メタルヒーローシリーズ 、超光戦士シャンゼリオン、燃えろ!!ロボコン など
- ディズニー
- ミッキーマウス、ドナルドダック、白雪姫、ダンボ、ピーター・パン、くまのプーさん、バグズ・ライフ、トイ・ストーリー2、ディズニープリンセス、東京ディズニーランド、東京ディズニーシー など
- サンリオ
- 特定のサンリオキャラクターのみ登場するソフト、複数のキャラクターが一堂に登場するソフトに二分される。
- ハローキティ、リトルツインスターズ(キキララ)、けろけろけろっぴ、サンリオピューロランドなど
- その他のキャラクター
- ソニック・ザ・ヘッジホッグ、バーバパパ、スヌーピー、ミニモニ。(アニメ版)、きかんしゃトーマス、ペコラ、コンパチヒーロー(仮面ライダー、ウルトラマン、ガンダム) など
- 他の玩具
- リカちゃん、ダイヤペット、トミカ、レゴブロック、プラレール、シルバニアファミリーなど
- テレビ番組・雑誌・企業など
- ひらけ!ポンキッキ、ポンキッキーズ、のりものスタジオ、おかあさんといっしょおよびドレミファ・どーなっつ!・ぐ〜チョコランタン、たのしい幼稚園、平成教育委員会、マクドナルドなど
- シミュレーション
- 疑似体験型絵本ソフトの多くはコントローラ代わりとなる周辺機器が同梱された。
- 自動車の運転、スペースシャトルの操縦、料理、電話の掛け方、パソコン・キーボード・マウスの操作、カラオケ、挨拶、小学校生活、ペットの育成、ダンス、職業体験、育児、釣り
- スポーツゲーム
- 野球 - 『めざせプロ野球』では日本のプロ野球に関する歴史や情報の紹介、ルールの学習とクイズが用意され、プロテスト体験ゲームと野球ゲームが収録された。
- サッカー - 『ピコサッカー めざせサッカーせんしゅ』では世界におけるサッカーの歴史紹介、ルールの学習とクイズが用意され、ドリブルなどのミニゲーム、ポジション検査ゲームとサッカーゲームが収録された。
イメージキャラクター
- パケット
- 1996年 - 1998年のイメージキャラクター。青いとんがり帽子、サスペンダー付きの大きなズボン、白い手袋、大きな革靴、蝶ネクタイを身につけ、赤く丸い鼻を持つ見習いピエロの男の子。
- 1996年に発売されたピコ初のマイク内蔵音声認識ソフト『ゆかいな森のパケット』の主人公として初登場した。以降店頭販促資材などにイラストが活用されるなど、事実上のイメージキャラクターとなった。
- 1997年には『パケット2 ゆかいな仲間とゲームで数遊び』が発売され、このソフトに同梱されたアンケートハガキにはキャラクターグッズの希望、パケットの認知度、好感度を伺う設問が用意された。これ以降パケットのソフトは発売されなかったが、『パケット2』に登場した犬のキャラクター「ユッピー」は1998年発売の『3つのしっぽ』の進行役として再登場した。
- むちゅうじんピッピちゃん
- 1999年以降のイメージキャラクター。先に丸の付いた2本の触角、Pの文字が付いた三角の胴、四角く黄色い顔と単純な図形で構成された宇宙人。この姿は子供でも簡単に描けるようデザインされた[6]。触角と胴の部分が赤色と青色の2人がペアで登場する。本体や絵本ソフトのパッケージ、起動画面に登場するピコのロゴマークとともにその姿を見ることができた。2001年の新型ピコ発売からは丸みを帯びた立体的なデザインに変更された。
姉妹品
セガおよびセガトイズはピコを幼児、低学年向けの教育・教養の総合ブランドと位置づけ、ピコの名を冠した製品を数種発売した。玩具には「ピコ with Me シリーズ」の名が付けられたものがある。
- さわってピコ - ソフト交換式の音の出る絵本。さわってピコ本体へ絵本状のページがついたロムカセット「絵本ソフト」を差し込み、ページに印刷されたキャラクターや文字に指で触れると、本体に内蔵されたスピーカから音声が発音される。ピコやテレビと接続する必要はなく単体で使用する。さわってピコの絵本ソフトはピコとの互換性はない。
- ミニピコ - 算数教育に特化した、電子ゲームシリーズ。
- ぱそピコ - セガが発売した子供向けのパソコンソフトシリーズ。ピコそのものはセガトイズに移管された後ではあるが、こちらはセガトイズが開発に関与した上でセガ本体から発売されたものとなっている。ピコソフトをパソコン向けに移植・リメイクした作品だけでなく、オリジナル作品も制作・発売された。
- ぐるっとピコ - 足し算の学習を目的とした知育玩具。筒状の本体についた2つの輪を回転させ計算式を作ると、小さな液晶画面に答えが表示される
- おしゃべりタッチピコ - 頭部にキャラクターの立体モデルが付いたタッチペン状の玩具。ペン先をクリックするとキャラクターのおしゃべりや音がスピーカーから発音される。
- ピコランド - セガ・インタラクティブにあたる部門からリリースされた、ゲームセンターやデパート・スーパーに設置された幼児向けのアーケードゲーム機。コインを投入するとカードが1枚払い出されるので、それを読み込ませゲームを進める。この後継機にビーナランドがある。
DS-PICOシリーズ
セガトイズ企画原案、コンパイルハート発売のニンテンドーDS専用知育ソフトシリーズ。
- サンリオのパーティへいこう! おりょうり・おしゃれ・おかいもの(2008年8月7日発売)
- サンリオピューロランド ワクワクおかいもの ステキなお部屋をつくりましょ!(2010年11月25日発売)
- ^ a b c 「ファミ通エクスプレス "ピコ"といっても紅茶じゃないぞッ! セガが幼児向けコンピューターを発売」『週刊ファミコン通信』第8巻第24号(1993年6月11日号)、アスキー、11ページ。
- ^ a b セガトイズ (2005年4月5日). “食育、安全などの“五育”を取り入れ、エデュテイメント事業を推進「遊びながら学ぶ」が進化する『Advanced PICO BeenaTM』(アドバンスピコ ビーナTM)8月発売” (PDF). 2009年10月25日閲覧。
- ^ GAME Watch編集部 船津稔 (2001年3月19日). “セガ トイズ、インターネットに接続で知育玩具「ピコタウンへでかけよう!」”. 2009年12月6日閲覧。
- ^ ITmedia mobile編集部 鈴木晴代 & 江戸川 (2002年11月29日). “Mobile for KIDS第7回 ハイテクおもちゃの人気NO.1「ピコ」、人気の秘密”. 2020年2月26日閲覧。
- ^ a b 「ファミ通エクスプレス ヤマハの音楽知育遊具"コペラ"登場 あれっ、どこかで見たような……!?」『週刊ファミコン通信』第8巻第40号(1993年10月1日号)、アスキー、11ページ。
- ^ クッキングピコの外箱などに明記。
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