キッズコンピュータ・ピコ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/01 02:19 UTC 版)
概要
セガ・エンタープライゼス(後のセガ)が1993年に発売した幼児向けの電子知育玩具で、セガ時代はTOY事業部が担当していた。発売当初のメーカー希望小売価格は税抜16,000円[1]。1998年以降は当時のセガ子会社で玩具部門を担当するセガトイズに販売を移管した。2001年6月1日には同性能の改良機を発売するとともに機器名称をキッズコミュニケーション・ピコに変更した。略称はピコ(PICO)。
タッチペンによる操作、絵本状のページが付いたソフトウェア、テレビ画面と絵本の連動遊び、テレビ画面を利用したお絵かき遊びを特徴とする。キャッチフレーズは「楽しく遊んで、知力すくすく」「遊びが学びの最初の一歩」など。
同社から発売されたメガドライブのアーキテクチャを転用した電子玩具。メガドライブからFM音源と、それを制御するサブCPUのZ80を省き、代わりにADPCM音源を搭載、入力機器をコントローラからタッチペンにするなどの変更を施し、幼児向け知育コンピュータとした。本体のみでは動作せず、テレビと接続した上で絵本ソフトと呼ばれるロムカセットを本体に差し込んで使用する。これらの性質からゲーム機としても分類される。
その性能のため、絵本ソフトは、PSG音源をBGMに使用し、キャラクターが頻繁に喋るものが主体となっており、セガ時代に発売された絵本ソフトは、画面に表示されるセガロゴはメガドライブから流用されたものだった。
操作は主に本体に取り付けられたタッチペンを使用し、ほかにタブレット、決定を行う赤い大きなボタン、選択・方向決定を行う4つの小さなボタンを補助的に使用するのみで、一般のコンピューターゲームのような複雑な操作は要求されない。小さなボタンの色は当初は白・緑・橙・青。このうち白いボタンはキッズコミュニケーション・ピコの最初期モデルでは黄色に変更されたが、後に白色に戻された。この時期に発売された絵本ソフトはテレビ画面に表示されるボタンも黄色で示されているものがある。
絵本ソフトに付いたページを開きタッチペンでページ内の絵や文章、アイコンに触れると、それと連動してテレビ画面の画像が変化する、キャラクターが喋る、ミニゲームが始まるなどさまざまなイベントが発生する。多くのソフトには最後のページに、タブレットとタッチペンを併用するテレビでのお絵かきのページが用意されている。テレビと絵本の連動遊び、学習要素を盛り込んだミニゲーム、お絵かき遊びにより幼児の想像力、判断力など知能の発達、文字や数、物の名前など知識の習得を促し、学習の手助けを行う。
- ^ a b c 「ファミ通エクスプレス "ピコ"といっても紅茶じゃないぞッ! セガが幼児向けコンピューターを発売」『週刊ファミコン通信』第8巻第24号(1993年6月11日号)、アスキー、11ページ。
- ^ a b セガトイズ (2005年4月5日). “食育、安全などの“五育”を取り入れ、エデュテイメント事業を推進「遊びながら学ぶ」が進化する『Advanced PICO BeenaTM』(アドバンスピコ ビーナTM)8月発売” (PDF). 2009年10月25日閲覧。
- ^ GAME Watch編集部 船津稔 (2001年3月19日). “セガ トイズ、インターネットに接続で知育玩具「ピコタウンへでかけよう!」”. 2009年12月6日閲覧。
- ^ ITmedia mobile編集部 鈴木晴代 & 江戸川 (2002年11月29日). “Mobile for KIDS第7回 ハイテクおもちゃの人気NO.1「ピコ」、人気の秘密”. 2020年2月26日閲覧。
- ^ a b 「ファミ通エクスプレス ヤマハの音楽知育遊具"コペラ"登場 あれっ、どこかで見たような……!?」『週刊ファミコン通信』第8巻第40号(1993年10月1日号)、アスキー、11ページ。
- ^ クッキングピコの外箱などに明記。
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