キッズコンピュータ・ピコ ハードウェア

キッズコンピュータ・ピコ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/01 02:19 UTC 版)

ハードウェア

仕様

ソフトウェア

ピコ専用ソフトは絵本ソフトと呼ばれ、ロムカセットの上部に絵本を模したページが数枚付いている。多くのソフトはタイトルとなる表紙と見開き5ページで構成されており、最終ページにはテレビを利用したお絵かき遊びが用意されている。お絵かきの他には『キテレツ大百科 えどにいってキテレツさいさまにあうナリ』の発明遊び、『世界名作劇場』の物語作成機能、『クッキングピコ』の料理大会などが用意されているソフトや、お絵かきに特化した『クレヨンしんちゃんのおえかきノート』などでは表紙以外のページを多数のアイコンで占めたものもある。絵本ソフトに取り付けられたページの紙質はソフトや発売時期により異なり、同一ソフトでも製造時期により異なる場合がある。

絵本ソフトの角上部には丸い6つの穴が、各ページの角上部には異なる切り欠きがあり、本体のセンサーがページの有無を判断しテレビ画面に表示する場面の決定および絵本ソフトのタッチ箇所変更を行う。ページをめくることで容易に場面転換ができるため、一般のコンピューターゲームのように初めから順番に物語を進める必要はなく、好きなページからゲームやイベントを始めることができる。

製品の箱には実際の購入者となる保護者に向け、教育専門家の顔写真や推薦文、学習要素を掲載する、タイトルに「知育」「知能」などの語句を添える手法が用いられた。価格は通常の絵本ソフトが3,980円、周辺機器付きの絵本ソフトが6,980円程度に設定された。

また絵本ソフトには固有の大規模な入力デバイスを用いるものもあり、トイザらスなどを始めとする販売店では実際にソフトや新発売のデバイスを試遊できるデモ機が設けられる場合も多く、売り場ではピコ本体のデザインにあわせカスタマイズされたテレビモニターや展示ディスプレイが使用される様子が見られた[4]

販売メーカー

絵本ソフトの販売に関してはサードパーティー制が取られ、セガおよびセガトイズ以外の企業からも発売された。特にバンダイはピコ発売当初から継続的に自社の管理するキャラクターを使用した新作ソフトの供給を行い、セガと共に多数のソフトを供給した。

セガやセガトイズ、バンダイが遊びに比重を置いたソフトを発売した一方で、小学館講談社学習研究社はより教育に比重を置いたソフトを開発、発売した。この他絵本ソフトを発売した企業にはゼネラル・エンタテイメントバンプレストイマジニアエポック社タカラ旺文社ポニーキャニオン、セガトイズの前身となるセガ・ヨネザワなどがある。

廉価版

1998年から旧作ソフトの廉価版が、以下のシリーズ名で数回販売された。箱は廉価版を強調するデザインに変更され、価格はすべて税抜2,980円に統一された。

  • はじめまシリーズ - 1998年発売。1993年から1994年のピコ初期に発売されたソフトを中心に6タイトルを発売。製品内に封入された応募券を2枚送るとパーカーやリュックサックが当たるキャンペーンを実施した。
  • ピコ発売10周年記念ソフト - 2003年発売。1995年前後発売のソフトを中心に全10タイトルを発売。ソフトケースは赤色で統一された。
  • ピコベストセレクションシリーズ - 2004年以降発売。ピコ発売10周年記念ソフトの後継企画。ソフトケースは発売10周年記念ソフトと同様に赤色で統一された。

ジャンル分類

1994年以降発売の絵本ソフトでは、そのソフトの主題を小学校の教科に例えてジャンル分類を行った。ひらがなやカタカナの学習を主題としたソフトは国語、数字や計算、図形の学習を主題としたソフトは算数、動物の生態や天体の学習を主題としたソフトは理科、歴史や地理の学習を主題としたソフトは社会科スポーツゲーム体育と分類される。その他学習要素の薄いソフトのジャンルは放課後とされた。

1998年以降は教科によるジャンル分類を廃止し、対象年齢、主要な学習要素、学習または遊びのどちらかを示すアイコンがパッケージ表面に示された。

バリエーション

ピコ本体は長期に渡る販売時期からコストダウンと低廉化を目的としたモデルチェンジが繰り返された。本体の種類は大きく以下の3モデルに分類できる。いずれの機種もACアダプタ、テレビと接続するためのケーブルが同梱され、タッチペンはあらかじめ本体へ取り付けられている。

キッズコンピュータ・ピコ(初期型、HPC-0001/HPC-0003/HPC-0003A)
ピコ発売当初のモデル。HPC-0002は欠番。HPC-0003Aはイマジニアの育脳塾本体の在庫を流用したもの。本体上部に持ち運びを容易に行うためのハンドルが用意された。本体の主な色は黄色と赤。タブレット部外側のロゴ部分やタブレットシートに紺色を使用。HPC-0003Aは北米版ピコと同様にエメラルドグリーンを基調としている。HPC-0001ではメガドライブ用コントローラと同様の9pin接続端子が用意されたが、HPC-0003以降の本体では削除された。
キッズコンピュータ・ピコ(普及型、HPC-0007/HPC-0008)
1997年頃に発売されたモデル。HPC-0004-6は欠番。HPC-0007は『おためしおえかきソフト』を同梱し「ピコプラス」の名称で販売された。初期型に存在したハンドルとペンスタンド、電源投入時の絵本ソフト着脱防止機能が省かれ、電源スイッチの位置が本体内側から側面へ変更された。本体の主な色は黄色と赤と紺。タブレット部外側に付いているピコのロゴはHPC-0007がカラー印刷のシール貼付に、HPC-0008はプラスチック成型にされた。
『おためしおえかきソフト』は1996年発売の『ゆかいな森のパケット』からお絵かきとミニゲームの最終ページを抜粋したソフトである。
キッズコミュニケーション・ピコ(HPC-0009)
2001年6月1日に税抜12,800円で発売。全面的な設計の見直しがされた新モデル。絵本ソフト挿入部側の突起をなくし従来機より薄くすることで収納時のサイズ縮小を実現した。その代わり使用時には本体後部のスタンドを立てる必要がある。初期出荷分では従来機の白ボタンが黄色に変更されたが、後に再度白色へ戻された。
絵本ソフト挿入部内側には絵本ソフトの端子部を清掃するカード「絵本ソフトクリーナー」の収納スペースが新たに設けられ、タブレット部は柄が印刷された薄い紙の「タブレットシート」の上に保護用の厚い「透明シート」を取り付ける形式となった。従来機種では滲みやぼやけの見られた画質も改善された。
ほぼ全てのピコ用ソフト・周辺機器が利用できるが、『みんなできょうそうアンパンマン!』は付属の空気ポンプ式マルチタップ「みんなでタップ」の取り付けができないため、不対応とされた。
本体色は白を基調とし、絵本ソフト挿入部内側やロゴ部にオレンジ色を、タブレットシートには水色を配色した。その後オレンジ色の部位をピンクや水色に変更した色違いモデル、本体やタブレットシートにトイ・ストーリーディズニープリンセスのキャラクターを印刷した機種、全体の配色を変更しアンパンマンピカチュウを配した機種も登場したほか、店舗限定でソフトを同梱した本体も販売された。例としてくまのプーさん関連ソフトをセットにした「プーさんセット」(HPC-0212)などがある。

  1. ^ a b c 「ファミ通エクスプレス "ピコ"といっても紅茶じゃないぞッ! セガが幼児向けコンピューターを発売」『週刊ファミコン通信』第8巻第24号(1993年6月11日号)、アスキー、11ページ。 
  2. ^ a b セガトイズ (2005年4月5日). “食育、安全などの“五育”を取り入れ、エデュテイメント事業を推進「遊びながら学ぶ」が進化する『Advanced PICO BeenaTM』(アドバンスピコ ビーナTM)8月発売” (PDF). 2009年10月25日閲覧。
  3. ^ GAME Watch編集部 船津稔 (2001年3月19日). “セガ トイズ、インターネットに接続で知育玩具「ピコタウンへでかけよう!」”. 2009年12月6日閲覧。
  4. ^ ITmedia mobile編集部 鈴木晴代 & 江戸川 (2002年11月29日). “Mobile for KIDS第7回 ハイテクおもちゃの人気NO.1「ピコ」、人気の秘密”. 2020年2月26日閲覧。
  5. ^ a b 「ファミ通エクスプレス ヤマハの音楽知育遊具"コペラ"登場 あれっ、どこかで見たような……!?」『週刊ファミコン通信』第8巻第40号(1993年10月1日号)、アスキー、11ページ。 
  6. ^ クッキングピコの外箱などに明記。





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