カーゴルックス航空
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/08 07:30 UTC 版)
就航地点
日本路線
1985年から福岡空港に貨物便を就航させていた。しかし日本便の貨物取り扱い量が伸び悩み、撤退も含めて再検討をしていた際、3000m級の滑走路がある他の拠点として小松空港に着目した。
同社が小松を拠点として選定したのは小松空港から東京・名古屋・大阪の3大都市圏までは1994年時点で次のような所要時間であり、比較的似た距離帯で結ばれていたからである[24]。
- 東京:5時間40分
- 大阪:3時間20分
- 名古屋:2時間30分
小松空港サイドは同社の受け入れに備え、第三セクターの貨物取扱い専門会社を設立し[24]、地元の衆議院議員でネオ・ニューリーダーの一人と目されていた森喜朗を押し立てて運輸省に陳情を行い[25]、1994年7月よりカーゴルックスは小松に移転した。
2003年の日経新聞の取材では、夜間に高速道路を使って荷物を運び、翌日には成田空港などで通関することが可能で、「保税輸送」での利点が大きいのだという。なお当時の日本への輸入品は精密機械部品、化学製品、ブランド品などであり、午後3時に着陸した後直ちに荷物を積み替え、夕方には離陸するという比較的タイトなスケジュールを組んでいる。貨物の取り扱いについても関東や関西の大空港と異なり、「専用空港に近い条件でスムーズに作業が出来る」ことが挙げられている[26]。
しかし朝日新聞によればカーゴルックス側の本音は関西国際空港への就航であり、同空港への枠を認めない国土交通省の姿勢に森を初めとする石川県の陳情、政治圧力を批判的に指摘されてもいる[25]。
2010年10月、北國新聞によれば、カーゴルクスは747-8Fの調達および、日本 - ルクセンブルク政府間で運行条件が見直されたのを機会に、小松発着の新路線開設のための協議を開始し、北米、香港などが新たに貨物輸送可能な寄港地として加わった[27]。
2018年3月28日には、成田国際空港へ新規就航し[28]し、同時に日本貨物航空とのコードシェアを開始した[29]。
日本便の取扱量推移
当初は週2便、その後徐々に扱い量が増加し、2001年には3便から5便までの枠が認められ、2000年代前半には年2万トンを超す扱いがあった[30]。2004年にはこの5便枠一杯に増便を実施した[31]。リーマンショック以降は1万トンを切る水準まで落ち込み、その後の景気回復で再び増加に転じている[32]。この間、北陸自動車道が2000年に全線4車線化され、2008年には東海北陸自動車道が全通するなどアクセス性は更に改善された。また、小松空港の設備も貨物取扱施設を増強するなど、充実が図られていった。2010年の北陸中日新聞によれば輸出品としては欧州向け半導体製造装置などがあり、景気回復による恩恵ばかりではなく、成田空港発着エールフランス、日本貨物航空の貨物便が減少し、それらの受け皿となっていることも挙げられている[33]。
- ^ 「ルクセンブルク特集-地の利生かすサービス業 航空貨物の拠点に」『日本経済新聞』1987年6月23日夕刊9面
- ^ “In the Beginning” (英語). Cargolux. 2013年2月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月21日閲覧。
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- ^ 外国人国際航空運送事業の経営許可について 『国土交通省』2010年6月10日
- ^ “カーゴルックスイタリア 日本初就航!”. 関西国際空港株式会社. 2022年1月21日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 「カーゴルックスイタリア 関空に新規欧州貨物便 週1便 深夜帯に」『日本経済新聞』2010年7月13日地方面(近畿B)
- ^ “Cargolux chief indicted over alleged price-fix conspiracy” (2010年10月29日). 2010年10月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年10月31日閲覧。
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- ^ “カーゴルックス航空、777-8F最大16機発注 747-400F貨物機後継”. Aviation Wire. (2022年10月13日)
- ^ Cargolux Fleet
- ^ “カーゴルクス、747レトロ塗装登場 最初の機材CL-44に着想”
- ^ “カーゴルクスが設立50周年、747-8F特別塗装機も運航中”
- ^ “飛行機もマスク着用? カーゴルックスが747機首にデザイン”
- ^ “ボーイング747-8フレイター カーゴルックスより3機を追加受注”. BOEING (2007年3月19日). 2007年10月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月21日閲覧。
- ^ “ボーイング747-8型機、カーゴルックス社の新リブリーを施した初号機を披露”. BOEING (2010年6月7日). 2012年7月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月21日閲覧。
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- ^ “カーゴルクスへB747-8Fが引き渡しされる–10月12日”
- ^ “カーゴルックス、ボーイング777-8F型機を最大16機発注”. Traicy. (2022年10月14日)
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- ^ “カーゴルックス 成田/ルクセンブルグ乗り入れ式典は3月28日”. FlyTeam. (2018年3月22日)
- ^ 『日本貨物航空、 カーゴルックス航空とのコードシェア便運航で合意』(プレスリリース)日本貨物航空、2018年3月6日 。
- ^ 「能登空港と松山空港が石川県の未来を変える」『月刊官界』2002年8月
- ^ “カーゴルックス航空週5便化と就航記念式典の実施について(2004年5月13日)”. 小松空港 (2007年11月27日). 2012年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月21日閲覧。
- ^ 「ルクセンブルク 貨物を週1便増 小松」マイタウン石川『朝日新聞』2010年4月10日配信
- ^ “国際貨物扱い量 急上昇 小松空港が倍増 上半期”. 北陸中日新聞 (2010年10月28日). 2010年12月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月21日閲覧。
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