ガス‐ハイドレート【gas hydrate】
ガス・ハイドレート
【英】: gas hydrate
分子径の小さい軽質炭化水素や希ガスなどの分子は、一定の条件下で水と化合し、水和物を形成する。このガス水和物をガス・ハイドレートという。この水和物は、加圧下 0 ℃以上で遊離水が存在すると生成し、その結晶は湿った雪のような外観で、水に浮き、密度は 0.88 ~ 0.90g/cm3 である。水分子の格子空間にガス分子が入り込んだ構造をしているので、小さな分子のみがガス水和物を形成できる。炭化水素ではメタン、エタン、プロパン、n-ブタン、i-ブタン、シクロペンタンが水和物を形成するが、これらより分子径が大きい炭化水素は形成しない。このほかにも Ar 、Kr 、H2S 、CO2 、SO2 、Cl2 などがガス・ハイドレートを作る。結晶構造は体心立方型、ダイヤモンド型が報告されている。水和物 1 分子中の水分子数は 41/4 、53/4 、72/3 、17 などがあり、ガス分子径が大きくなるに従い、結合に関与する水分子数も増加する。圧力が高くなるにつれ生成限界温度は高くなり、メタン-水系では 30kg/cm2A で約 1 ℃以下、74kg/cm2A で約 10 ℃以下でハイドレートが生成する。また分子量(ガス比重)が大きくなるに従い低圧で生成しやすくなり、プロパン-水系では 6kg/cm2A で約10℃以下でハイドレートを生成する。ガス・ハイドレート生成は配管などの閉塞{へいそく}トラブルを起こすので、その生成防止は、特に天然ガスを扱う設備では重要である。特に減圧弁、安全弁後流でガスの断熱膨張による温度低下によるガス・ハイドレート生成により、弁が閉そくしたり閉止不能になるトラブルが多い。防止対策としては、(1) ガスハイドレートは遊離水がなければ生成しないので、ガスを脱湿し露点を下げる(→ガス脱湿プロセス)、(2) ガス中にメタノール、エチレングリコール(MEG、DEG、TEG)などの薬品を注入するなどが行われている。 |

包接水和物
包接水和物(ほうせつすいわぶつ、英: clathrate hydrate)はハイドレートとも呼ばれ、水素結合による水分子のかご状構造の中に他の物質の分子が入り込んだものである。
水・ガス・低温・高圧の四つの条件がそろうと生成する。メタンや二酸化炭素、塩素などの気体分子を取り込んだものをガスハイドレート[1]と呼び、特にメタンハイドレートはよく知られる。
ハイドレート結晶構造
ハイドレートは構造 I、構造 II、構造Hの3種の構造をとることがわかっている。構造 I をとる物質はメタン・二酸化炭素などであり、構造 II をとる物質は窒素などである。構造 H は特殊な条件下で生成される。
- 構造 I
- 構造 I は正5角形12面からなる立体
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