V30とGRCGの搭載、完全2HD化、3.5インチFDD搭載モデルを発売
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 09:21 UTC 版)
「PC-9801シリーズ」の記事における「V30とGRCGの搭載、完全2HD化、3.5インチFDD搭載モデルを発売」の解説
この世代の機種は、NECが開発した8086の上位互換高速CPUであるV30を採用している。また、グラフィック機能が大きく強化され、従来機でのデジタルRGB出力による8色表示から、アナログRGB出力による4096色中16色同時発色表示に改良されている(一部モデルではオプション)。この表現力を生かすため、VRAM各プレーン同時書き込み制御に対応したグラフィック処理プロセッサGRCG(Graphic Charger)が追加された。また、キーボードにNFER(無変換)キーが追加された。この頃から登場した3.5インチFDD搭載のモデルは、多くのモデルでは家庭用を意識して、5.25インチモデルよりも小型の筐体で、標準でPC-9801-26サウンドボード相当のモノラルFM音源を搭載している。 PC-9801U 1985年5月 3.5インチ2DD FDD を初搭載。CPUはV30/8MHzを初搭載。RAMは128KB搭載。グラフィックVRAMは初代機と同様に1画面分のみ実装している(増設不可)。従来機ではビープ音の音程を変更できないが、本機以降は音程を変更できるようになっている。 PC-9801VF 1985年7月 5インチ2DD FDD を搭載。CPUはV30/8MHzを搭載。RAMは256KB搭載 PC-9801VM前期 1985年7月(VM0/2)/9月(VM4) 5インチ2HD/2DD自動切換え型 FDD を搭載(VM0を除く)。CPUはV30/10MHzを搭載。RAMは384KB搭載。VM4は固定ディスクドライブ(SASI HDD、容量20MB)を搭載。16色表示はオプション(8色表示の場合も、4096色から任意の8色を選択できるよう強化されている。)。VM2は1986年8月までに約21万台を出荷し、当時のベストセラーになった。同モデルは米国にPC-9801VM2Eとして輸出された。 PC-9801UV前期 1986年5月 3.5インチ2HD/2DD自動切換え型 FDD を初搭載。初のFM音源搭載。CPUはV30/10MHzを搭載。RAMは384KB搭載。キーボードコネクタが背面から前面に移動した PC-9801VM後期 1986年11月(VM21)/1988年11月(VM11) 5インチ2HD/2DD自動切換え型 FDD を搭載。RAMは640KBになり、グラフィック用VRAMは同時発表のPC-9801VXと同様のデュアルポートRAMを採用している。VM11はVM21とほぼ同スペックの廉価モデルで、筐体のデザインがRA/RXと同様なものに変更された。 PC-9801UV後期 1987年7月(UV21)/1988年3月(UV11) 3.5インチ2HD/2DD自動切換え型 FDD を搭載。FM音源搭載。RAMは640KB搭載。UV11はUV21とほぼ同スペックの省スペースモデル PC-9801CV 1988年3月 カラーCRT一体型モデル PC-9801VMは「V30搭載・アナログRGB 2画面・5インチ2HD」というこれ以降のPC-9800シリーズの標準的な仕様を確立することとなった。当初ソフトウェア側の16色への対応は鈍かったが、後年に発売されたゲームソフトは16色・2画面を前提に開発され、「PC-9801VM以降対応」との表示が多く見られた。3.5インチFDDモデルではFDD以外の仕様がPC-9801VMに準じるPC-9801UVがこの役割を果たし、「PC-9801VM/UV以降」という表示も多く見られた。この世代でFDDまわりの仕様がほぼ確立し、従来の1MB FDDインターフェースをベースにした2HD/2DD自動切替ドライブが以降の機種に標準搭載されるようになる。また、従来機種と比較して、V30の搭載や動作周波数の向上により処理速度が1.6倍に、グラフィックの処理速度は2倍に向上している。
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