オペレーションズ・リサーチ
オペレーショナルリサーチ
ORと訳されることが多い。数学的・統計的モデル、アルゴリズムの利用によって、複雑なシステムにおける意思決定を支援し、また意思決定の根拠を他人に説明するためのツールである。第二次世界大戦中のイギリスで発祥。兵器のハード面ではなく、ソフト面(運用)に焦点を当て、その持つ能力を最大限に発揮させるべく研究されたのがORの始まりである。大戦後、ORはアメリカに渡り、応用数学に浮上。アメリカで軍事から企業経営に転用され、企業ORとして定着した。主な応用領域は、在庫管理、製造資源の配分、最短の待ち行列形態のシミュレーション、作業順序管理(クリティカルパス法)等である。
ORは、1)システムプローチ(システムの目的達成のため最適な決定を求める)、2)学際的アプローチ(異なる学問領域の人が参加して方法のプールを増やし、問題解決の可能性を上げる)、3)科学的アプローチ(モデルによる問題解決のため、現実を数理モデル化し最適解を求め、あるいはシステム変更の結果を数学的に予測する)の3点を基本アプローチとする。現存するシステムを最適解に基づいて変更し、その有効性を実証する過程で介入を伴うため、アクションリサーチと一部概念的に重複する。
我が国を含む先進国では、保健システム管理や病院管理にORの有効適用が試行されている。国際保健分野においては、ORという用語は、主にアクションリサーチと同じ意味で使われることが多い。(村上仁)
参考URL:日本オペレーションズ・リサーチ学会ホームページ http://www.orsj.or.jp/
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