AHPへの批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 14:07 UTC 版)
AHPは今やオペレーションズ・リサーチや経営科学の大抵の教科書で取り上げられ、多くの大学で教えられている。また論拠を重んじる組織においても幅広く使われている。 包括的合意は、専門的に妥当性があり実用的に有用性があるとき、それを批判する人はいない。 1990年代初頭、AHPについて批評家たちと提案者たちの間の一連の討論が学術雑誌 Management ScienceやThe Journal of the Operational Research Societyに掲載された。これらの討論は AHPに有利な方で落ち着いたようだ。 2001年にAHPの学術的批判を真っ向から反証する詳細な論文が、学術雑誌Operations Researchに掲載された。 2008年に出版されたManagement Scienceの論文に多目的意思決定全分野における過去15年間の発展経過をレビューしたものがあるが、AHPに関する論文の数は他のどの分野よりも多く、この分野でいかに多くの発展が見られたかを示している。 同じく2008年に、オペレーションズ・リサーチと経営科学の分野で主要とされる国際学会において、それらの分野におけるAHPの多大な影響を公式に認めた。 しかし批判が完全に収まった訳ではない。1997年に出版された論文で、AHPの一対比較で利用する口頭による尺度(対 数値尺度)は構造的に不備がある可能性について検証された。また同じ年に別の研究者により、AHP モデルを適用することで本来つけられるはずのない順序を誘引してしまう可能性が指摘されている。2006年には、全ての代替案を同じように評価する評価基準を後から追加すると、元の代替案間での順序が変わってしまう可能性を指摘した論文が出版されている。 AHPへの批判のほとんどが順位逆転と呼ばれる現象に関するものである。これについては、節を改めて説明する。
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