AHPの階層
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/09/25 06:52 UTC 版)
AHP階層とは、意思決定問題を構造化によりモデル化したものである。この階層は、総合目標、それを達成するための選択肢あるいは代替案のグループ、そしてこれら代替案を総合目標に関係付ける因子あるいは評価基準のグループから構成される。評価基準は、問題の性格により、下位評価基準として下の方向に次々と分解していくことができる。 AHPの活用例に関するほとんどの出版物に、この階層図とその解説が掲載されている。この文献でも簡単なものを紹介する。より複雑なAHP階層については、書籍にまとめられたものがあるので、そちらを参照のこと。 どのようなAHP階層も、検討中の問題の性格の他、意思決定者達の知識、判断、価値観、意見、必要性、希望などに依存して構築される。したがって階層を構築していく過程で、有意義な議論、十分な調査、そして新たな発見がなければならない。また階層を完成させた後であっても、新たに考えた評価基準や初めは重要とされなかった評価基準を追加することができる。同じことが代替案についても言え、追加、削除、あるいは変更しても差し支えない。 ここでAHP階層についての理解を深めるために、総合目標とそれを達成するための3つの代替案、さらにそれら代替案を評価する4つの評価基準を含む意思決定問題について考えてみる。 この階層は下図のように、一番上に総合目標、一番下に3つの代替案、そしてその中間に4つの評価基準をもつダイアグラムとして描かれる。 このようなダイアグラムに描かれる1つ1つの箱は、専門的にノードと呼ばれる。またすぐ下の階層にある1つ以上のノードと結び付いているノードをそれらの親ノードと呼び、反対に親ノードに結び付いているノードを子ノードと呼ぶ。 例えばこれらの用語を下の図に適用すれば、総合目標は4つの評価基準の親であり、反対に4つの評価基準は総合目標の子であると言える。同様にして、各評価基準は3つの代替案の親になっていると言える。この階層には代替案は3つしかないが、下の図では対応する親の下にいちいち描かれていることに注意すること。 スペース省略するために、下の図のように、各代替案に1つずつノードを割り当て、それらとそれらに適用する評価基準を複数の直線で結ぶ方法もある。見づらくならないように、さらにこれらの直線をいくつか省略したり、全く描かないこともできる。どのような図であれ、各代替案は階層の中で親ノードに結び付けられていることに注意が必要である。
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