Fantasie und Fuge a-Moll BWV 944とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 趣味 > ピティナ・ピアノ曲名 > Fantasie und Fuge a-Moll BWV 944の意味・解説 

バッハ:幻想曲とフーガ イ短調

英語表記/番号出版情報
バッハ幻想曲とフーガ イ短調Fantasie und Fuge a-Moll BWV 944作曲年: 1707-13年  出版年1829年  初版出版地/出版社Peters 

作品解説

2007年9月 執筆者: 朝山 奈津子

 《アンドレーアス・バッハ本》所収。ヨハン・アンドレーアスはバッハの甥。バッハ長く師事した兄ヨハン・ベルンハルトの楽譜帖を受け継ぎ1754年という年とともに記名したもので、現在はライプツィヒ市立図書館所蔵する冒頭10小節の〈ファンタジア〉は、この資料にのみ現れる。このアルペジオについては、たとえば《半音階的幻想曲BWV 90328小節前半 においてバッハ実際に示した奏法参考になる。また、F. リストは独自のリアライゼーションを校訂譜において披露している。(リスト編曲は現在でも入手可能である。)バッハは時々、簡略な和音のみを記して奏者補完促すような書き方をしたが、大抵は《半音階的幻想曲》のように解法添えたこのように何ら指示もないのはきわめて珍しい。また、アンドレーアス・バッハ本以外の資料ではこの部分省いてフーガのみが書き写されている。バッハはおそらくこの状態を最終的な完成稿とは考えていなかったのだろう。10小節分の和音が、あるいは本格的な前奏曲スケッチだった可能性もあるし、単に即興演奏ヒント書きつけたのかも知れない
 フーガヴィルトゥオーゾ的な効果の高い、長大作品である。全体は以下のような論理的な構成を持つ。主題提示イ短調)-展開(ホ短調)-展開(ニ短調)-展開(ハ長調)-再現部主題提示ホ短調-イ短調)-展開-コーダ前半部の最初の展開(ホ短調)は徐々に音域高まり次の展開(ニ短調)では幅広く中音域を維持し三度目の展開(ハ長調)でまた徐々に低くなる再現部コーダそれぞれ2オクターヴ半もの下行アルペジオ区切られる再現部は属調主題バスから始まり全体音域低くなったところで、待ち望まれ主調主題高らかに開始する以後の展開は、主題断片を短い周期でつなぎ合わせ和声くるくる変化しコーダ冒頭主題提示準備する。ここが主題としては全曲通じて最高の音域となる。コーダでも高音低音往復し主題を再提示して終結するこうした音域移動は、チェンバロ複数鍵盤使い分けるなら、立体的な効果望める。現代ピアノでは、音域ごとの音色強弱変化注意しなければならないが、展開部分の掛留を使った掛け合いは、ピアノこそ得意とする語法である。16分音符休みなく続き速く弾け華麗な技巧誇示することができようし、ゆっくりとフーガにしては珍しい3拍子進めれば和声変化を楽しむこともできる




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

Fantasie und Fuge a-Moll BWV 944のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Fantasie und Fuge a-Moll BWV 944のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
社団法人全日本ピアノ指導者協会社団法人全日本ピアノ指導者協会
Copyright 1996-2025 PianoTeachers' National Association of Japan

©2025 GRAS Group, Inc.RSS