Fantasie und Fuge a-Moll BWV 904とは? わかりやすく解説

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バッハ:幻想曲とフーガ イ短調

英語表記/番号出版情報
バッハ幻想曲とフーガ イ短調Fantasie und Fuge a-Moll BWV 904出版年1839年  初版出版地/出版社Peters 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1  Fantasia3分00 No Image
2  Fugue4分30秒 No Image

作品解説

2007年9月 執筆者: 朝山 奈津子

 大規模なヴィルトゥオーゾ・フーガのひとつ。バッハ最後弟子一人、J.C.キッテル筆写譜などに伝えられるそれ以前資料ではファンタジアフーガ別々に現れるため、これらを対にしたのはキッテルだった可能性もある。成立年不明だが、曲の様式古風である。
 ファンタジアでは、12小節に及ぶリトルネッロの間に、リトルネッロから取り出した主題展開されるリトルネッロ冒頭終結はまった同形だが、間の2回は移調装飾加えた形で現れる声部書法はかなり自由で、リトルネッロでは4声以上、エピソード展開部分)では概ね3声だが、和音加えて音の厚みを増すことには何ら躊躇見られない。しかしそれでもこの曲がきわめて古い響きを持つのは、協奏曲風の対比原理がまったく働いていない上、全声部参加する完全終止定型リトルネッロ以外の所で容易に成立しないことにある。全体はどこかの声部の掛留音によって常に休みなく続く。こうした厳粛な雰囲気は、オルガン用作品を思わせるまた、協和音中心和声進行哀調帯びた透明感のある響き生み出す。それは、半音階による直截的感情表出ではなく表面上は落ち着き保ちながらも慟哭秘めた王者哀しみである。
 フーガ3部分に分かれ対照的な2つ主題を持つ。前半後半始まりそれぞれの主題提示第3部、すなわち後半後半部分で2つ主題組み合わせた展開が行われる。対主題反行形転回交えてかなり複雑な対位法技巧駆使され、全体概ね4声を維持し、そのため響き重厚になる。演奏に際しては、声部明快な弾き分けのみならず、手の交差幅の広い音程など高い要求なされるが、2つ主題対比織り成す緊張感二重フーガ醍醐味であり、とりわけ演奏する者にとって充実感のある作品である。




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