Fantasie und Fuge c-Moll BWV 906とは? わかりやすく解説

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バッハ:幻想曲とフーガ ハ短調

英語表記/番号出版情報
バッハ幻想曲とフーガ ハ短調Fantasie und Fuge c-Moll BWV 906作曲年: 1729-38年  出版年: 1802-03年  初版出版地/出版社Hoffmeister & Kühnel 

作品解説

2007年9月 執筆者: 朝山 奈津子

 2種類自筆譜が残る。そのうちドレスデン伝えられるものにはフーガ途中まで書き込まれている。曲集や音楽帖の体裁とっていないため、バッハがこの曲にどのような計画持っていたのかは判らない。《平均律》第II巻組み入れようとした可能性もあり、実現しなかったのは、この曲の華やかな雰囲気ゆえかも知れない
 全体二部分かれ整然とした形式持っている両手分散和音動機がX字型を描くきわめて魅力的な主題で始まる。この4小節主題現れるたびに音が増えていく。(このような主題労作の手法を「紡ぎ出し」と呼ぶ。)前半後半部分は手の交差起こり鍵盤の上でもX字が描かれることになる。5度音で開始する後半では、X字となるはずの各素材がさまざまに組み替えられる。手の交差セクション経て主調主題再現するこうした流れは、提示-展開-再現ソナタ形式似ている実際後世ソナタと同様、再現部の手前に5度調であるト短調領域に留まって、再現準備するような部分がある。(一般にはこうしたものを推移部と呼んでいる。)
 この曲のもうひとつ特徴は、半音階である。しかし、他のバッハ作品みられるような苦悩表現満ちた悲愴感はここには表れない。それはおそらく主題がもつ坦々としたリズムによるのだろう。
 続くフーガは、半音階による短い主題さりげなく始まるが、徐々にスピード感を増し16分音符の走句とオクターヴ超える跳躍組み合わせたダイナミックな展開部分へと進む。ドレスデン自筆譜は、走句と主題結合したところで途切れている。なお、第5小節再現記号、第35小節フェルマータ終止記号書き込まれていることから、ダ・カーポによる大規模な構想があったことがわかる。この曲が完全な形で残っていないのは実に惜しまれる




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