A-8およびA-9型
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「フォッケウルフ Fw190」の記事における「A-8およびA-9型」の解説
Fw 190 A-8はA-7に若干の改良を加えたものであり、1944年2月から生産が開始され、8,300機が生産された。また出力増強装置を装備した。MW50、これは水メタノールを気筒内に吹き込み、出力を増強するもので使用可能時間は10分間以上だった。またはGM-1、これは亜酸化窒素を使用するもので8分間のみ作動した。武装は装甲を強化し、主翼外翼MG 151/20を30mmMK 108機関砲(弾数各55発)へ変更した。突撃仕様のR2、R8仕様の場合はMG 131 13mm機関銃×2、MG 151/20 20mm機関砲×4、MK 108 30mm機関砲×2が装備された。こうした度重なる改修は重量増を招き、最高速度をはじめとした飛行性能は低下している。一部の機体には新型のBMW 801 TU(離昇出力1,810馬力)を搭載した。 1944年10月からは離昇出力2,000馬力のBMW 801 TS/THを装備したFw 190 A-9が量産開始された。主翼前縁の装甲が取り外され軽量化がなされており、MW50またはGM-1出力増強装置を使えば10分程度の間、2270馬力、710km/hを発揮できた。資料によっては「2200馬力」、700km/hとしている。高々度性能も向上し、P-51マスタングら連合軍の戦闘機と対等に戦えるとも推測されるが、戦局はそれを許さず、ほとんどが東部戦線の後退に備えて対地攻撃用のF-9型に改修されてしまった。ただし歴史群像編集部 (2010)では逆に、A-9型は当初は期待されたものの結局は連合軍の新鋭戦闘機と渡り合えるだけの性能を持っておらず、また機構上のトラブルも多発したため、対戦闘機戦闘はD型に任せるかたちで地上攻撃型に改修したとの説を採っている。なお、渡辺 (1999) によれば、主翼前縁は体当たり攻撃用に強化されている。野原 (2006) の文献によれば910機が生産された。 A-10型はターボ過給器を備えたBMW 801エンジンの搭載(BMW801F-1)。フラッペ&ローランによれば翼巾の延長を行い、高々度戦闘機型として計画されたが、既にFw 190 DやTa 152が存在していたため、計画のみで終わった。渡辺 (1999) によれば、増槽3本を含む1750kgのペイロードを持った長距離戦闘爆撃機型。なおこの機体はのちにFw 190 D-10の試作に流用されている。なお、A-1からA-9までの合計生産数は約13,200機である。
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