7年ぶりのチャンピオン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 03:17 UTC 版)
「サンアントニオ・スパーズ」の記事における「7年ぶりのチャンピオン」の解説
ホームでの第1戦は、AT&Tセンターの空調設備が故障し、コートの温度が32℃を上回る過酷な条件でゲームが進んだ。終盤、レブロン・ジェームズが左足に痙攣を起こし途中退場すると、ヒートは完全に変調をきたし、スパーズの圧勝に終わった。後に「エアコンゲーム」と呼ばれた。第2戦は、レブロンが復活し、ゲームは接戦となったが、勝負どころでスパーズがパーカー、ダンカンと4連続でフリースローを外し、これまでのプレーオフで連敗のないヒートに僅差で逃げ切られた。 アウェイのアメリカン・エアラインズ・アリーナに所を変えた第3戦は、センターの先発をティアゴ・スプリッターからボリス・ディアウに変更することを決断。するとスパーズの完成度の高いチームオフェンスが更に機能し、前半でフィールドゴール成功率75.8%というNBAファイナル記録をたたき出し、前半終了時で、71対50と21点差とし、後半も1、2戦、スランプ気味であったカワイ・レナードが、ディフェンス・オフェンス共に活躍し、キャリアハイの29得点をあげ、19点差で圧勝した。このゲームを期にレナードが攻守ともに好調を取り戻し、スパーズのベンチメンバーも含めた総力オフェンスに対し、ヒートはスパーズの "奇襲" に策を失い、クリス・ボッシュがディアウのディフェンスに手を焼き、平均12点台に抑え込まれ、トニー・パーカーとパティ・ミルズが繰り出す多彩なゲームメイクに対応出来なかったマリオ・チャルマーズも我を失ったかのようなプレーぶりに終始するなど連敗を喫し、ホームでの第5戦に向け王手をかけた。 ファイナル3勝1敗から逆転したチームはないことを受け、ジェームズは歴史は自分たちが作ると、復活を誓った第5戦は、序盤のみレブロンの活躍があったが、その後はスパーズが総合力で凌駕し、圧勝で5度目となるチャンピオンを勝ち取った。ファイナルMVPはディフェンス・オフェンス共に活躍した成長著しいカワイ・レナードが受賞した。このシーズンのスパーズのプレーは、パスを中心においたボールムーブで、メディアから「ビューティフル・バスケットボール」などと表現されたように、チーム最優先のプレーが際立っており、他チームのプレーヤーもこれを賞賛した。合計70点差をつけての優勝は、1965年のファイナルでボストン・セルティックスがロサンゼルス・レイカーズを相手に合計63点差をつけて優勝した時の記録を抜き、ファイナル史上最大得点差での優勝となった。フィールドゴール成功率52.8%もファイナル新記録である。スパーズはこれまで奇数年のみ優勝(1999年、2003年、2005年、2007年)してきたが、初めて出場した偶数年のファイナル(2014年)を制し、優勝したことになる。これまで「偶数年に弱い」と揶揄されてきたスパーズが、遂にそのジンクスを打ち破ったのだった。
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