1898-1912年とは? わかりやすく解説

1898-1912年

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 05:21 UTC 版)

ローベルト・ヴァルザー」の記事における「1898-1912年」の解説

1898年文芸批評家でありベルン日刊新聞ブント紙(Der Bund)』の文芸編集者J. V.ヴィートマン(Joseph Victor Widmann)が、新聞日曜版にヴァルザーの詩6篇を掲載した。これに注目したフランツ・ブライ(Franz Blei) は1899年文芸誌インゼル (Die Insel)』周辺ユーゲントシュティール(Jugendstil)のグループにヴァルザーを引き入れ、ここでヴァルザーはヴェーデキント(Frank Wedekind)、ダウテンダイ(Max Dauthendey)、ビーアバウム(Otto Julius Bierbaum)等と知り合った。『インゼル』にはその後もヴァルザーの詩や小劇、散文小品掲載された。 ヴァルザーは1905年まで主にチューリヒに居を定め市内でたびたび転居したが、その間トゥーン(Thun)、ソロトゥルン(Solothurn)、ヴィンタートゥア(Winterthur)、ミュンヘン(München)といった街や姉リーザのいるビール湖畔のトイフェレン(Täuffelen)で暮らした1903年初年兵学校卒業し、夏からチューリヒ近郊ヴェーデンスヴィル(Wädenswil)の技術者・発明家カール・ドゥプラー(Carl Dubler)のもとで「助手」として雇われたが、このエピソード小説助手(Ger Gehülfe)』(1908)の素材となった1904年、『フリッツ・コハーの作文集(Fritz Kochers Aufsätze) 』がインゼル社から刊行され、これが初めての出版本となった1905年初夏、ヴァルザーはベルリン召使養成コース修了し同年秋にはオーバーシュレージエン(Oberschlesien)のダムブラウ城(Schloss Dambrau)で従僕として数ヶ月雇用された。この「従属」というテーマその後彼の作品全体を貫くことになるが、とくに小説『ヤーコプ・フォン・グンテン(Jakob von Gunten)』(1909)においてはっきりと現れている。1906年始め、ヴァルザーは再びベルリンへ赴いた当時ベルリンでは兄カール画家エッチング画家舞台美術家として活躍しており、ヴァルザーに作家編集者舞台関係者集まりへの門戸を開いた。ヴァルザーは時折ベルリン分離派秘書として働いたこともあり、この時期編集者ザムエル・フィッシャー(Samuel Fischer)やブルーノ・カッシーラー(Bruno Cassirer)、企業家ヴァルター・ラーテナウ(Walther Rathenau)、俳優アレクサンダー・モイッシ(Alexander Moissi)と知り合ったことはとくに重要である。 ヴァルザーはベルリン滞在中、6週間小説タンナー兄弟姉妹(Geschwister Tanner)』を書き上げ1907年出版した2作目小説助手』の刊行1908年、『ヤーコプ・フォン・グンテン』の刊行翌年続いた。これらは全てブルーノ・カッシーラー出版から刊行されたが、当時編集顧問クリスティアン・モルゲンシュテルン(Christian Morgenstern)であった。 この時期ヴァルザーは小説平行して散文作品執筆し言葉遊びしながらそしてきわめて個人的に貧しのらくら者の視点から、たとえば「アッシンガー(Aschinger)」や「ゲビルクスハレン(Gebirgshallen)」といった大衆居酒屋様子スケッチした彼の小説散文作品は『シャウビューネ誌(Schaubühne)』、『新ルントシャウ誌(Neue Rundschau)』、『ツークンフト誌(Zukunft)』、『ラインランデ誌(Rheinlande)』、『新チューリヒ新聞(Neue Zürcher Zeitung)』、『新メルキュール誌(Die neue Merkur)』 といった新聞文芸誌掲載されきわめて好意的に受け入れられた。ヴァルザーはベルリン文学活動基盤固めたのである彼の散文はとくにローベルト・ムージル(Robert Musil)やクルト・トゥホルスキー(Kurt Tucholsky)に称賛されヘルマン・ヘッセ(Hermann Hesse)やフランツ・カフカ(Franz Kafka)といった作家たちに愛読された。

※この「1898-1912年」の解説は、「ローベルト・ヴァルザー」の解説の一部です。
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