メタンハイドレート

メタンハイドレートは、天然ガスの主成分であるメタンが水分子に取り込まれ結晶化したシャーベット状の固体物質で「燃える氷」と言われています。低温・高圧下の永久凍土や深海底に埋蔵されており、日本近海では南海トラフや北海道、新潟県沖、南西諸島に存在することが確認されています。その埋蔵量は推定7.4兆立方メートル(経産省「メタンハイドレート開発計画」より)で、日本の天然ガス使用量約100年分、世界最大規模と言われています。
ただ、メタンハイドレートからメタンを低コストで生産(回収)する技術のハードルには高いものがあります。石油やガスのようにくみ上げることができず、大規模な掘削・生産設備が必要になり、深海の場合はさらにコストが膨らみます。政府は、メタンハイドレートなど日本周辺の鉱物資源の本格的な埋蔵量調査などを18年度までに行う「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」を4月から実施に移す予定です。日本近海の詳細な埋蔵量を調べるほか、商業ベースに乗せるための掘削・生産技術の開発などにも取り組むとしています。
石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は08年3月、国際プロジェクトに加わり、カナダ北西部の永久凍土地下1100メートルからメタンガスを世界で初めて連続生産することに成功したと発表しました。メタンハイドレート資源化への道を切り開いた快挙と言えるでしょう。
民間企業も早くからメタンハイドレートに着目、技術開発に取り組んでいます。特許庁によると、世界のメタンハイドレート回収技術に関する特許出願件数に占める日本のシェアは46%でトップ。2位の米国(32%)を大きく引き離しています。三菱レイヨン、三菱重工業、大成建設、三井造船、鹿島建設などが上位に名を連ねています。
政府と民間企業の取り組みにより商業化が進めば、日本は世界有数の「資源大国」に躍り出る可能性があります。
(掲載日:2009/01/27)
メタンハイドレートと同じ種類の言葉
Weblioに収録されているすべての辞書からメタンハイドレートを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- メタンハイドレートのページへのリンク