麻生氏とは? わかりやすく解説

麻生氏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/24 22:19 UTC 版)

麻生氏(あそうし)は、日本の氏族。本項で述べる筑前国豊前国の一族の他、系統を異にする以下の氏族がある。

  1. 常陸国桓武平氏大掾氏一族。常陸国行方郡麻生を本貫とした(常陸麻生氏)。
  2. 清和源氏頼親流大和源氏)。
  3. 長門国の豊田氏一族。長門国豊浦郡麻生を本貫とした(長門麻生氏)。

麻生氏 (宇都宮氏一族)

麻生氏
長尾三つ巴 ながおみつともえ
本姓 藤原北家宇都宮氏流城井氏支流
家祖 宇都宮重業
種別 武家
出身地 下野国
主な根拠地 筑前国遠賀郡麻生郷[1]
著名な人物 麻生太郎
凡例 / Category:日本の氏族

麻生(あそう)氏は、筑前国遠賀郡麻生郷の大身宇都宮氏の一族城井氏(豊前宇都宮氏)の庶家。

建久5年に、高階忠業の子で宇都宮朝綱猶子となった宇都宮重業が筑前に領地(約1,000町)を与えられて、下向して遠賀郡麻生郷花尾に花尾城を築き、山鹿氏・麻生氏の祖となった。山鹿時家の子の代に、山鹿氏の傍流の一派として麻生氏が興った。南北朝時代の戦乱の結果、山鹿氏本家は没落し、麻生氏が主流となる[2]

明徳年間に大内氏の幕下となり、大内氏の推挙により室町幕府奉公衆となる。その後遠賀川を挟んで東西に分かれ、西麻生は吉木村岡城に拠り、東麻生は帆柱山城に拠る。 戦国時代に、宗像氏との戦争に敗れ、遠賀川以西の遠賀郡を宗像氏に割譲して、宗像氏に従属することとなる。

弘治3年(1557年)大内氏滅亡後、麻生隆実は毛利氏の支援のもと、大名化の勢いを示したが、その子麻生家氏は九州に覇を唱えようとする島津氏に対抗して、豊臣秀吉に従った。

文禄4年(1595年)、筑後国に転封。子孫は福岡藩に仕えた。

末裔の麻生朝道が2002年に亡くなり、現在は麻生久和が跡を継いでいる。

菩提寺は福岡県聖福寺で、麻生氏は同寺の歴代老師を何人か出している。

また、麻生家の墓の横には小早川隆景の墓があり、歴代麻生氏が墓の世話をしている。

宇都宮氏系の麻生氏には、他に豊前宇都宮氏2代の宇都宮信房の子の麻生国弘にはじまる氏がある。

系譜

実線は実子、点線(縦)は養子。
宇都宮朝綱
 
 
 
重業[3]
 
 
 
山鹿家政
 
 
 
時家
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
家長 麻生資時 長政
 
 
 
資氏
 
 
 
政氏
 
 
 
家宗
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
家長 家宗
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
北麻生資家 家久 義助
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
山鹿仲中 家見 家春 弘家 家清 北麻生資家
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
家慶 小倉弘助 家信 弘国
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
隆守 鎮里 興春
 
 
 
家重
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
興益 隆守
 
 
 
隆実
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
家氏 家勝

豊前宇都宮氏系

宇都宮信房
 
 
 
麻生国弘
 
 
 
 
 
 
 
 
 
石川隆平 守弘
 
 
 
時家

麻生太郎の一族

筑前国嘉麻郡立岩村 庄屋の一族、第92代内閣総理大臣麻生太郎の実家)[4]

麻生太右衛門
 
 
 
賀郎
 
 
 
太吉
 
 
 
太郎
 
 
 
太賀吉
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
太郎 信子
 
 
 
 
 
将豊

脚注

  1. ^ 遠賀郡戸畑村、現・北九州市戸畑区浅生
  2. ^ 『図説嘉穂・鞍手・遠賀の歴史』郷土出版社、2006年7月29日、76頁。ISBN 487663839X 
  3. ^ 高階忠業の子。
  4. ^ 麻生百年史 〈麻生グループ〉 - 麻生家と太吉の誕生

外部リンク


麻生氏 (宇都宮氏一族)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 03:48 UTC 版)

「麻生氏」の記事における「麻生氏 (宇都宮氏一族)」の解説

麻生(あそう)氏は、筑前国遠賀郡麻生郷大身宇都宮氏一族城井氏豊前宇都宮氏)の庶家建久5年に、高階忠業の子宇都宮朝綱猶子となった宇都宮重業が筑前領地(約1,000町)を与えられて、下向して遠賀郡麻生郷花尾花尾城(はなおじょう)を築き山鹿氏・麻生氏の祖となった山鹿家の子の代に、山鹿氏傍流一派として麻生氏が興った南北朝時代戦乱結果山鹿氏本家没落し、麻生氏が主流となる。 明徳年間大内氏幕下となり、大内氏推挙により室町幕府奉行衆となる。その後遠賀川挟んで東西分かれ、西麻生吉木村岡城拠り、東麻生帆柱山城拠る戦国時代に、宗像氏との戦争敗れ遠賀川以西遠賀郡宗像氏割譲して、宗像氏従属することとなる。 弘治3年1557年大内氏滅亡後麻生隆実は毛利氏支援のもと、大名化の勢い示したが、その子麻生家氏九州に覇を唱えようとする島津氏対抗して豊臣秀吉従った文禄4年1595年)、筑後国転封子孫福岡藩仕えた末裔麻生道氏2002年亡くなり、現在は久和氏が跡を継いでいる。 菩提寺福岡県聖福寺で、麻生氏は同寺の歴代老師何人出している。 また、麻生家の墓の横には小早川隆景の墓があり、歴代麻生氏が墓の世話をしている。 宇都宮氏系の麻生氏には、他に豊前宇都宮氏2代宇都宮信房の子麻生国弘にはじまる氏がある。

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