高野雑筆集とは? わかりやすく解説

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高野雑筆集

主名称: 高野雑筆集
指定番号 2439
枝番 00
指定年月日 1988.06.06(昭和63.06.06)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 書跡・典籍
ト書 承安元年六月八日書写奥書
員数 2帖
時代区分 平安
年代 1171
検索年代
解説文:  『高野雑筆集』(二巻)は、空海遺文集めたもので、成立時期、編者等は未詳だが、『遍照発揮性霊集』の補遺にあたるものである書簡類を中心に二編収め、うち十編は『性霊集』と重複し、また弟子等の書簡混入した疑いのあるもの数編を含んでいる。その内容は、空海が唐より請来した経典等の書写普及に関するものが多く庇護者対す物品恵与依頼状、礼状病気見舞など多岐にわたり『性霊集』等とともに空海事跡思想等を知る上に重要な史料である。
 この大谷大学本は、その承安二年(一一七一)の写本で、粘葉装二帖からなる。各帖とも現状表紙本文料紙共紙で、外題はなく、左上隅小さく「高野雑筆集巻上(下)」と記されている。料紙楮紙に押界七行を施して用い、各帖首に「高野雑筆集巻上(下)」と内題があり、本文一行二〇~二四字に楷書謹直に書写し、上帖に四〇編、下帖に三二編を収めている。おおむね一編ずつ行をかえているが、まま二~三編改行せずに続けて書写している箇所もある。文中の句切点があり、まれに仮名、上帖の首二丁に墨仮名ヲコト点付され上欄外には「性霊集第三有之」などの注記本文同筆加えられている。下帖には三二首の空海文章続けて、唐僧義空等に宛てた徐公直、叙等の書簡一八編を併せて書写している。
 各帖末に書写奥書があり、上帖は
 「承安元年六月六日書写了 一交了」
下帖は
 「承安元年六月八日理趣書写了、範杲本也/一交了」
とあり、承安元年に範杲が理趣院(勧修寺)で書写したものであることを明らかにしている。範杲は平安時代後期勧修寺の僧で、その書写した本が高山寺多く伝存しており、本帖も各帖首に「高山寺」の方印があり、高山寺伝来したのである。本帖は『高野雑筆集』の現存最古本であり、空海伝記研究上に、またわが国漢文学研究上に貴重である。

高野雑筆集

読み方:コウヤザッピツシュウ(kouyazappitsushuu)

分野 漢文

年代 平安中期

作者 編者未詳



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