高速道路割引施策に伴う影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 05:52 UTC 版)
「四国フェリー」の記事における「高速道路割引施策に伴う影響」の解説
高松・宇野航路については、2010年2月12日、同航路を運航する四国フェリーと国道フェリーの両社がそろって、高速道路の大幅割引のため経営が成り立たない事を理由に、同年3月26日最終便をもって航路の運航を終了することを発表した。この決定に先立ち、両社での事業統合も模索したが交渉が決裂していた。 同航路に従事する従業員は船員65人を含めた97名で、同社によると、航路撤退による人員削減は避けられずグループ内で雇用できるのは一部にとどまるとした。 しかし、同年3月4日、国道フェリーが国土交通省四国運輸局に申請していた航路廃止届を取り下げたのに引き続き、その後を追うようにして、四国フェリーもまた廃止届を取り下げたことから、宇高航路は2社体制のままで当面の間運航されることとなった。 その後、2012年8月24日に国道フェリーが同年10月18日から休止することを四国運輸局に届け出をおこない(既に同社は同年6月から終夜運航を廃止し減便していた)、届け出通りに運行を休止した。これにより宇高航路については当面現状のまま運航を継続することを表明している四国フェリー1社のみとなった。なお、これに先立ち10月1日から運賃を改定した。一般旅客は390円から670円と71%の値上げ、自転車・二輪車・軽自動車・乗用車も数百円の値上げとなる。 2014年6月19日、同年4月から実施された高速道路料金の改定でトラックの利用が大幅に減ったことなどを理由に、同年7月16日から深夜・早朝便を廃止して22往復から14往復に減便すると発表し、国土交通省四国運輸局に運輸計画の変更を申請した。新ダイヤでは高松・宇野発ともに7:00始発、最終便が20:00となり、これにより、高松・宇野航路で行われていた24時間運航は約50年で取りやめとなった。 2015年1月29日に開催された第9回「宇野高松間地域交通連絡協議会」で、四国フェリーは、高速道路料金改定の影響が「想定以上」で前年7月の減便後も月2千万円程度の経常赤字が続いているとした。協議会終了後、四国フェリー社長は、このままではさらなる減便も検討せざるを得なくなるとの見解を示すとともに、2月1日から普通車と軽自動車限定で船内の駐車スペースを事前予約可能とするサービスを開始すると表明した。2015年3月1日からは14往復から10往復に減便し、2016年12月には、2017年4月1日から5往復に減便することが明らかとなった。これを受けて香川県・岡山県・高松市・玉野市は2015年から実施している航路への財政支援を2017年度以降年3000万円から1500万円に減額することを決めた。 2019年5月の報道では、1隻体制への減便後も2017年度は年間5000万円の赤字を計上し、燃料費が高騰した2018年度は約1億円程度の赤字が見込まれるとしている。また、「宇野高松間地域交通連絡協議会」は2016年12月以降開催されていないとも報じられた。
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