高尾山天狗裁判
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1984年、首都圏の自動車交通状況の改善、特に東京都心部の中央環状線を中心とした首都高速道路の渋滞緩和を目的に首都圏中央連絡自動車道(圏央道)構想が国(建設省)から提起され、そのルートが高尾山にかかることが示されると、自然保護団体や一部の八王子市民から強い反発が起こり、1988年には「高尾山の自然をまもる市民の会」(以下「市民の会」)が結成され、自然保護を中心とした建設反対運動が組織された。 2000年には6つの自然保護団体と住民1060人が原告となり、国と日本道路公団に対して工事の一部差し止めを求める住民訴訟が提起され、高尾山の天狗伝説にちなんで「高尾山天狗裁判」と呼ばれた。 この反対運動には、朝日新聞の「天声人語」執筆担当や日本エッセイスト・クラブ理事長なども務めたコラムニストの辰濃和男なども支援した。 2008年1月27日投票の八王子市長選挙では、「市民の会」事務局長の橋本良仁が6万3540票(得票率42.81パーセント)を獲得したが、現職市長(当時)の黒須隆一に敗れた。 「高尾山天狗裁判」は圏央道の事業認定取り消しを求める別の裁判と一括審理になった後、2010年9月1日に東京地方裁判所(八木一洋裁判長)は原告側の請求を退け、2002年に着工していた高尾山トンネルを含む圏央道の建設を認めた。原告団は控訴したが、圏央道開通後の2012年7月9日に東京高等裁判所はこれを棄却し、東京地裁判決の原告敗訴が確定した。 その後も「市民の会」は活動を続け、訴訟時に指摘した地下水脈の減少による井戸の枯渇などについて高尾山で調査・監視活動を継続するとともに、この訴訟の経験を公開・公刊し、2000年からは道路建設や自動車公害に反対する各地の住民運動組織が加盟する「道路住民運動全国連絡会」(道路全国連)の事務局業務も担当している。
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高尾山天狗裁判
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「首都圏中央連絡自動車道」の記事における「高尾山天狗裁判」の解説
八王子JCT - 高尾山IC間に関し、平成14年(行ウ)第296号等の事業認定の取消しを求めた行政訴訟が起きた。原告は高尾山周辺や八王子城址付近の環境破壊、税金の無駄遣いを理由として、圏央道高尾山トンネル建設に対し、団結小屋の設置など、激しい建設反対運動が起き、東京都知事や国土交通大臣を提訴したものの、行政側が勝訴し裁判は終結した。
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