食酢の分類と名称
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 07:38 UTC 版)
* および ** はJAS「食酢品質表示基準」 に準拠し、表示は ** の名称を用いる。詳細は同基準を参照のこと。 醸造酢*(広義)穀物酢*(広義) - 穀物の使用量が40g/l以上のもの(粕酢、麦芽酢など)。米酢(よねず)** - 穀物酢のうち、米の使用量が40g/l以上のもの。 米黒酢** - 穀物酢のうち、米(糠を完全に取っていないもの)使用量が180g/l以上のものであり、褐色または黒褐色をしたもの。小麦、大麦を含んでもよい。黒酢。黒酢(香醋(こうず)とも) - もち米を醸造し、モミ殻を加えて発酵させた、中国産のものを指すことが多い。現在では健康食品として流通している側面がつよい。 大麦黒酢** - 穀物酢のうち、大麦のみを使用し、その使用量が180g/l以上のもの。色は褐色または黒褐色。麦芽酢。モルトビネガー。 穀物酢**(狭義) - 米酢、米黒酢、大麦黒酢のいずれでもない穀物酢。粕酢 - 酒粕を原料とした酢。その色から赤酢とも呼ばれる。かつては握り寿司の酢飯の材料として一般的だったが、戦後の物資不足と黄変米事件が原因であまり一般には流通しなくなった。米を直截の原料としていないため、表示名称は穀物酢となる。 ハトムギ酢 - 健康食品として流通。 きび酢 - サトウキビを原料とした酢。鹿児島県奄美地方で作られる。カリウムが極めて少なく、ミネラルを豊富に含む。また、他の酢に含まれないビタミンCを含む。 果実酢*(広義) - 果実の搾汁の使用量が300g/l以上のもの。リンゴ酢** - 果実酢のうち、リンゴの搾汁の使用量が300g/l以上のもの。シードルビネガー cidre vinegar ぶどう酢** - 果実酢のうち、ぶどうの搾汁の使用量が300g/l以上のもの。ワインビネガー。バルサミコ酢 - イタリア産の高級ぶどう酢。 果実酢**(狭義) - りんご酢、ぶどう酢のいずれでもない果実酢。柿酢 - 本来は、熟した柿の実をつぶし、放置して自然発酵させたもの。 梅酢 - 古代中国では梅から梅酢を作り料理や傷の消毒など治療、鍍金など広い用途で利用していた。現在日本で食される梅干は元来その副産物である。ほかにも李や杏で代用した。 醸造酢**(狭義) - 穀物酢、果実酢のいずれでもない醸造酢。 合成酢** - 氷酢酸または酢酸を水で薄め、砂糖類、酸味料、うま味調味料等で味を調えたもの。日本では沖縄県のみで酸度の高いものが常用される。また醸造酢等と混合した物は全国で使われている。 蒸留酢 - 麦芽酢などを蒸留し、揮発性物質よりつくったもの。濃縮酢 - 食酢の水分を凍結させ、遠心分離してつくったもの。
※この「食酢の分類と名称」の解説は、「酢」の解説の一部です。
「食酢の分類と名称」を含む「酢」の記事については、「酢」の概要を参照ください。
- 食酢の分類と名称のページへのリンク