韓国からの観光
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 09:43 UTC 版)
詳細は「金剛山観光地区」を参照 韓国の現代財閥会長鄭周永は金剛山付近の出身で、北朝鮮当局と話し合って韓国からの金剛山観光を実現させた。1998年11月、江原道東海港を出港する船で韓国からの観光が始まり、2000年3月からは釜山港からも観光船が出航するようになった。2001年7月以降は江原道束草港から出航する雪峰号に一本化、2003年9月以降は南北間の軍事境界線を直接越える陸路観光が本格的に開始され、2004年1月以降は陸路観光に一本化された。 現代財閥は巨額の観光料と引き換えに北朝鮮側から金剛山の独占開発権を取得し、様々な観光資源に恵まれた金剛山の本格開発を計画したが、当初、巨額の観光料と設備投資の割には観光客が集まらなかった。そして北朝鮮側との交渉の難航、現代財閥の内部対立などもあって予定通りには観光開発が進んでいない。 一方、2002年10月には金剛山は北朝鮮の観光地区に指定され、陸路観光の定着とともに観光客も増え、金剛山では南北分断で別れ別れになった離散家族の再会事業が行われるなど、韓国と北朝鮮との窓口としての役割を果たすようになっており、韓国国内では金剛山観光を開城工業団地とともに太陽政策の成果として評価する声も高い。 しかし2006年7月の北朝鮮のミサイル発射問題の影響で、離散家族再会事業は北朝鮮側から中止が表明され、北朝鮮に観光料が支払われる金剛山観光の是非についてアメリカから問題提起がなされた。同年10月の核実験後は特に金剛山観光に対する内外の批判が高まっている。 陸路観光は束草市の北にある江原道高城郡の南北出入事務所前からバスに乗車し金剛山へ向かい、またバスで戻ってくる形で行われている。北朝鮮と韓国は互いに公式には国家として認めていないため、査証や旅券は必要ないが、代わりに観光証を代用として使用している(但し韓国人以外は旅券も必要)。また北へ向かうための「出入手続」がある(出入国手続ではない)。料金は2泊3日で30万ウォン(約3万円)くらいからあるが、季節や宿泊施設の等級によってはもっと高くなる。ちなみに観光客一人当たり一定額の観光料を北朝鮮側に支払うことになっており、2泊3日の場合の観光料は80ドルである。金剛山ではハイキングの他に温泉や海水浴、更には北朝鮮のサーカスや歌といった観光メニューがある。金剛山内での通用貨幣はアメリカドルであり、韓国ウォンは使えない。またセントは使われず、最低単位が1ドルのため、韓国より物価が高くなっている。
※この「韓国からの観光」の解説は、「金剛山 (朝鮮)」の解説の一部です。
「韓国からの観光」を含む「金剛山 (朝鮮)」の記事については、「金剛山 (朝鮮)」の概要を参照ください。
- 韓国からの観光のページへのリンク