青鞜社とは? わかりやすく解説

青鞜社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/25 09:19 UTC 版)

1912年、青鞜社にて撮影。前列左から田辺操、物集和子、一人おいて、小林哥津。後列左から木内錠子、平塚らいてう、中野初子、石井(和田)光子、小磯とし子。

青鞜社(せいとうしゃ)は、1911年(明治44年)、平塚らいてう(平塚雷鳥)を中心として結社された女流文学社であり、フェミニスト団体。機関誌『青鞜』を発行し、婦人解放運動を精力的に展開した。文学的思想啓蒙運動団体。1916年(大正5年)に解散。

概要

「青鞜」の語は、18世紀のロンドンで、文芸愛好家女性の会ブルー・ストッキングス・ソサエティ英語版のメンバーが、伝統的な黒のシルクではなく青色の靴下(実際は灰色の梳毛糸のもの)などのカジュアルな服装で集まっていたことに由来する。そのことから英語でブルーストッキング(blue stocking)は知的な女性を意味する。

青鞜社発起人は木内錠、平塚明子(らいてう)、物集和子、中野初、保持研子で、当初の事務所は本郷区駒込林町9番地の物集和子宅であった。会員は発起人と、与謝野晶子を含む賛助員7名、社員18名[1]

9月の『青鞜』創刊号には、次のような声明が掲載された。

元始、女性は実に太陽であった。真正の人であった。今女性は月である。他に依って生き、他の光によって輝く病人のような蒼白い顔の月である。私共は隠されて仕舞った我が太陽を今や取り戻さねばならぬ。
平塚らいてう『青鞜発刊に際して』

社則第1条は次のとおりである。

本社は女流文学の発達を計り、各自天賦の特性を発揮せしめ、他日女流の天才を生まむ事を目的とする。
青鞜社『社概則』第1条

第1次世界大戦による洋紙価格の高騰、1914年の平塚の引退・出産、後の編集人伊藤野枝大杉栄の愛人関係、原田皐月の堕胎論の発禁処分などが重なり、青鞜は1915年(大正4年)6号をもって発刊が停止し、青鞜社も事実上解散となった。

機関誌『青鞜』

小説短歌俳句戯曲の外、エドガー・アラン・ポーモーパッサンイプセンメレシュコフスキーチェーホフなどを含むヨーロッパ・ロシア文学の翻訳及び評論が掲載。

主な社員

脚注

出典
註釈

関連項目

参考文献

外部リンク

  • 青鞜【全号まとめ】(国立国会図書館デジタルコレクション、デジタル化資料送信サービス限定公開)。「目次」より各号に遷移。

青鞜社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 17:18 UTC 版)

伊藤野枝」の記事における「青鞜社」の解説

10月頃から、野枝平塚らいてうらの女性文学集団青鞜社に通い始め社内外から集まった当時錚々たる「新しい女」達、与謝野晶子長谷川時雨国木田治子小金井喜美子岡本かの子尾竹紅吉神近市子らと親交深めて強い刺激受けた機関誌『青鞜』に詩「東の渚」などの作品次々発表頭角現した。平塚らいてうが「原始女性は実に太陽であつた」と謳ったのと対照的に野枝は、「吹けよ、あれよ、風よ、嵐よ」と謳っている。この時期アメリカアナキストであるエマ・ゴールドマンの『婦人解放悲劇』の翻訳をし、足尾鉱毒事件関心深めた1915年それまで度々発売禁止処分を受けるなど経営難に陥っていた雑誌青鞜』の編集・発行平塚らいてうから受け継ぐと、「無主義、無規則、無方針」をモットーエリート女性だけでなく一般女性にも誌面解放情熱的に創作評論編集活躍し、『青鞜』を文芸雑誌から女性評論誌、あるいは女性論争誌と呼ぶべきものに変えていった。野枝この間長男の一(まこと)、次男の流二(りゅうじ)を出産。また中流階級婦人による廓清会廃娼運動を、娼婦境遇に対して理解なきまま「醜業婦」の名を浴びせる偽善として厳しく批判した

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「青鞜社」を含む「伊藤野枝」の記事については、「伊藤野枝」の概要を参照ください。

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