離婚と婚前交渉の相関性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 07:58 UTC 版)
性的経験が多い男女ほど、浮気の危険性が高いという事は様々な調査から報告されている。 ジョーン・カーン、キャスリン・ロンドンは、1965年から1985年までのアメリカ合衆国の既婚女性を対象にし、婚前交渉と離婚の長期的リスクの相関関係を調査した。1988年のNational Survey of Family Growthによる実態調査を元にした単純なクロス集計では、婚前に性的にアクティブであった女性は、婚前に処女であった女性よりも、夫婦関係が崩壊するリスクが非常に高いという結果が出た。婚前交渉という直接的な原因だけではなく、若年結婚や婚前出産などの離婚に対するハイリスクや、家族背景や価値観などの観測可能な特性を考慮した結果でも、婚前の処女よりも非処女の方が離婚のリスクは、はるかに高かった。しかし、婚前交渉を持つ可能性と離婚の可能性に影響を持つ、観測できない特性を考慮して分析した結果、差は統計的に有意ではなくなった。これらの結果は、婚前交渉と離婚の相関関係には、直接的な原因よりも、観測されない違い(例えば、伝統的な規範を壊すことに意欲がある)に起因することができることを示唆する。 アイオワ大学のアントニー・ペークは、アメリカ合衆国において、思春期の最初の性交が、初婚における離婚のリスク上昇と関連してるかどうかの調査をした。この調査は、2002年のNational Survey of Family Growthによる全国調査を元に、既婚女性3793人に対して行われた。結果は、16歳以上の思春期後期に自ら望んで最初の性交をした場合は、直接的には離婚のリスクが上昇することはないが、婚前交渉をした場合は間接的に離婚のリスクが上昇する。また、16歳未満での最初の性交、または最初の性交が自ら望んだものでなかった場合は、直接的に離婚のリスクが上昇する。16歳未満で性交をした場合、最初の性交時の年齢が下がるほど離婚のリスクは高くなる。また、将来の夫との婚前交渉は、結婚まで性交渉しなかった場合より離婚リスクが高くなるが、複数の婚前交渉のパートナーを持つ場合や、婚前妊娠・出産経験がある場合よりも離婚リスクは低い。18歳未満で性交をしたことがある女性は5年以内に31%(18歳未満で性交しなかった女性は15%)が離婚し、10年以内に47%(同27%)が離婚している。5年以内の離婚では、18歳未満で性交した女性とそうではない女性の間で2倍の差がある。 レナーター・フォーストとコーレー・タンファーは、アメリカで20歳から39歳の女性を対象にして調査を行った。その結果、性的経験のなかった女性(処女)と比較して、1人から3人の男性と性的経験のあった女性では4倍、4人以上の性的経験のある女性では8.5倍の浮気をする危険性があることがわかった。また、ジェイ・ティーチマンがJournal of Marriage and Familyに発表した研究によると、夫以外の男性と同棲もしくは婚前交渉をした女性は離婚のリスクが高く、この効果は結婚前に複数の男性と同棲した女性で最も強いことがわかった。 バージニア大学が公表した18〜34才のアメリカ人1000人を対象にした大規模な結婚調査(5年間の追跡調査)によると、結婚前の経験人数が多くなるほど、結婚生活は不幸せになる傾向が強かった。また、結婚前に子供を作るよりも結婚後に子どもを作ったほうが44%ほど幸福度は高まるということがわかった。
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