離婚に関係する心理学理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 06:21 UTC 版)
離婚に関係する心理学理論には以下のようなものがある。 (社会的交換理論) 人は、他者との関係を維持する損得と、関係を断つ損得を比較評価して、その存廃を決めると考える。物質的損得だけでなく、精神的損得も評価される。この理論は、離婚に至るリスクを評価する際に役に立つ。 (進化心理学) 生物は、自分の遺伝子を子孫に増やすように行動すると主張する。子供ができないことによる離婚など、離婚についても遺伝子の繁栄の観点から説明する。「性的対立」も参照。 (人間関係理論) 夫婦間で人間関係のスキルが不足すると苦痛が蓄積して離婚に至ると主張する。米国の政府機関は、この立場に立って情報提供を行っている。「人間関係の教育」も参照。 (離婚の過程モデル) 離婚は単一の出来事ではなく、一連の過程(プロセス)であると主張する。離婚には以下のような側面があり、それらは必ずしも同時には起こらないと述べる。(1)気持ちの共有がなくなること(精神的離婚)、(2)法的な離婚、(3)経済的に2世帯になること、(4)子育てを分割すること、(5)地域社会において2世帯になること、(6)精神的に立ち直ること。 (家族システム論) 離婚について、夫と妻の関係が途絶することだけに注目するのではなく、家族構成員個々の関係の変化や、家族をとりまく人々との関係の変化にも注目する。 (辛抱強さ、レジリエンス) ささいな出来事でも簡単に心が折れる人がいる一方で、困難な状況にもじっと耐える人がいる。この辛抱強さの程度から離婚しやすさを説明する。また、離婚後のストレスに対しても、辛抱強い人とそうでない人がいると主張する。 (愛着理論) 乳幼児において観察された対人関係の類型は、成人においても存続すると主張する。大人の愛着パターンには、安心型(50〜60%の人)、不安-逃避型(25〜30%の人)、不安-専心型(約15%の人)があり、このうち不安型の人は、離婚や再婚に至る可能性が高いと主張する。 (フェミニズム論) 離婚とは、家庭内で虐げられてきた女性達による、ある種の革命であると主張する。 (帰属理論) 家庭内の苦痛や不和を何のせいにするかということで、離婚を説明する。 (ストレス理論) ある人が、家庭内のストレスをどう認識し、それにどう対処するかということで、離婚を説明する。 (責任論) 夫婦関係の破綻は、有責者の落ち度によって生じると主張する。
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