関東鉄道キハ610形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/09/01 09:55 UTC 版)
「関東鉄道キハ610形気動車」の記事における「関東鉄道キハ610形」の解説
関東鉄道は手持ちの元キハ07形11両について、1972年から1975年にかけて順次近代化改造を実施し、留置のキハ707、鉾田線キハ42502、筑波線キハ705、留置のキハ706を西武所沢車両工場で常総線用のキハ610形611~614に、鉾田線キハ42501を大栄車輌で同じく常総線用のキハ610形キハ615に改造を行った。なお、鉾田線のキハ42503と42504は鉾田線用のキハ600形601、602となった。 両運転台から片運転台に改造され、運転台側の車体前頭部は半流線型から切妻式となり、正面貫通扉付で、その上にシールドビーム式前照灯を2灯をまとめてケースに入れて設置、尾灯は車体下部の左右に配置したスタイルで後のキハ310形や若干配置が変更となったキハ0形に至るまでの関東鉄道の標準スタイルとなった。連結面側は切妻式となった。 車体側面は両端扉と窓周りはキハ07形のままで窓扉配置dD1231D1321D1で、扉は前後が原形と同幅850mmの片引のプレスドア、中央扉は拡幅されて両開となりいずれもステップがなく車体裾部が直線となった。窓は700mm幅の2段窓ままながらアルミサッシ化されており、中央扉の戸袋窓はHゴム支持であった。 車体は当初は改造前と同じ塗装であったが、後に下半分オレンジ、上半分クリーム色、屋根が銀色に変更された。 室内は壁面がベージュ、天井が白の化粧板、床が木製の床油引きで、緑色のロングシートをドア間に配置していた。天井には蛍光灯と換気口、スピーカーボックス、吊手を設置したが扇風機は最後まで設置されなかった。 走行装置等床下機器は総括制御化され、車端部にジャンパ栓がつき、機関も換装によりさまざまなものとなった。また、ブレーキ装置もGPからDA-1に変更されたほか、連結器も緩衝器と胴受付の小形自動密着連結器となった、台車についてはTR29のままであった。 各車形態はさまざまで、下のような差異があった。前照灯のライトケースは611、612は上下左右4つの角のRが小さいもの、613上側2つのRが大きく2つの前照灯の間隔が狭いもの、キハ615は4つの角ともRが大きいものであった。 正面貫通扉手すりは611、612は縦桟が2本、614は1本、615は横桟がなく縦桟1本のみであった。 前後の客扉はキハ612と613はもともとのステップ付用の扉を改造したもので窓は上寄りについており、キハ611と614はプレスドアで、窓は上辺が他の窓の上辺とほぼ同じ高さであった。また、キハ615はプレスドアではなく、窓の天地寸法も若干大きなもので中央扉の窓と揃えられていた。 中央の客扉はキハ613と614はステンレス製であるのに対し、その他は鋼製となっていた。客扉の窓はキハ611~614が窓と同じ天地寸法であったのに対し、キハ615のみ小形のものであった。また、戸袋窓の形状はキハ611、612が細長いもの、613、614が大形のもの、615はその中間サイズのものであった。 前後扉の戸袋窓はキハ611~614がアルミサッシであったのに対しキハ615のみHゴム支持であった。 車側灯はキハ611~614が中央扉の戸袋窓の脇に取付けられていたのに対しキハ615のみ幕板に取付けられていた。
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