釜石地区
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 09:53 UTC 版)
「日本製鉄北日本製鉄所」の記事における「釜石地区」の解説
日本の近代製鉄業発祥の地・釜石に立地する工場で、八幡製鐵所よりも早くに操業を開始した日本最古の製鉄所である。官営の製鉄所として1880年(明治13年)に操業を開始するが、満足な成果を出せず3年後に閉鎖。軌道に乗ったのは民間人である田中長兵衛に払い下げられた後の1886年(明治19年)以降のことである。戦前までは比較的大規模な製鉄所であったが、戦時中に釜石艦砲射撃で壊滅。戦後復活し、1950年(昭和25年)の日本製鐵解体後は富士製鐵の主力製鉄所の一つとなるものの、1960年代から縮小が始まり、新日鉄発足後の1989年(平成元年)に高炉を休止したため現在は銑鋼一貫製鉄所ではない。 現在は線材の生産拠点で、かつては製銑・製鋼用の設備、鋼板や形鋼・棒鋼用の圧延設備があったが、現在は線材圧延設備以外存在しない。敷地面積は344万平方メートルである(2017年10月1日時点)。従業員数は236人となっている(2020年3月31日時点)。 製品の線材は鋼を細く圧延しコイル状に巻いた鋼材で、釜石で製造される線材の種類には低炭素鋼・中炭素鋼線材や、ばねやケーブルに使用される高炭素鋼線材、ボルトなどの部品の材料に使用される冷間圧造(鍛造)用線材、ラジアルタイヤに使用されるスチールコード用線材、溶接用線材などがある。 鉄鋼分野の設備ではないが、日本製鉄の独立発電事業 (IPP) の拠点の一つでもあり、火力発電所を設置し、東北電力に発電した電力を供給。13万6,000kW/hの出力は岩手県内で最大の出力を誇り、2015年からは木質バイオマス燃料の使用を開始した。
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