野球における没収試合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/12 11:26 UTC 版)
公認野球規則7.03に「フォーフィッテッドゲーム(没収試合)」として規定がある。一方のチームが以下のことを行った場合にフォーフィッテッドゲーム(没収試合)が宣告される。 一方のチームが次のことを行った場合。(公認野球規則 7.03(a) )球審が試合開始時刻にプレイを宣告してから、5分を経過してもなお競技場に出ないか、あるいは競技場に出ても試合を行うことを拒否した場合(ただし、遅延が不可避と認められる場合を除く)。 試合を長引かせ、又は短くするために、明らかに策を用いた場合。 球審が一時停止又は試合の打ち切りを宣告しないにもかかわらず、試合の続行を拒否した場合。 一時停止された試合を再開するために、球審がプレイを宣告してから、1分以内に競技を再開しなかった場合。 審判員が警告を発したにもかかわらず、故意に、また執拗に反則行為を繰り返した場合。 審判員の命令で試合から除かれたプレーヤー(退場宣告を受けた選手)を、そのチームが適宜な時間内に退場させなかった場合。 ダブルヘッダー第2試合の際、第1試合終了後30分以内に競技場に現れなかった場合(ただし、第1試合の球審が第2試合開始までの時間を延長した場合を除く)。 一方のチームが競技場に9人のプレーヤーを位置させることができなくなるか、又はこれを拒否した場合。(同 7.03(b)) 球審が試合を一時停止(グラウンドコンディション不良や観客の乱入など)した後、試合再開に必要な準備(グラウンドの整備や観客の退出措置等)を球場管理人に命じたにもかかわらず、その命令が意図的に履行されなかったために試合再開に支障を来した場合(アマチュア野球には適用しない。この場合はビジターチームの勝利となる)。(同 7.03(c)) これらにより没収試合が宣告された場合、記録上は原因となったチームを「0-9の敗戦」として扱う。試合途中に没収試合となった場合は原則として個人記録はそのまま残るが、加害チームがリードしている状況で没収試合となった場合には勝利投手・敗戦投手・セーブは一切記録されない。加害チームがいったん勝利して終了した試合に対してのちに没収試合が適用され、その試合が0-9で加害チームの敗戦となった場合も同様に、勝利投手・敗戦投手・セーブの記録が取り消しとなり、完全に記録なしの試合となる。 また、後攻チームがリードした状態で5回表、あるいは先攻チームがリードした状態で5回裏が完了する前に没収試合となった場合、その試合における全ての記録は公式記録として算入されない(→ノーゲーム)。前述のとおり、没収試合となった場合は、得点0-9の試合として成立する。 後述の通り、日本プロ野球の場合、高額の制裁金や賠償金の支払い命令がなされ、また、独自に入場料の返還が行われる場合もある。 試合を主管する組織が定める選手登録のルールに反した選手起用が原因となって没収試合が宣告されることがある。これは当該選手が試合に出場できないとのルールにより、公認野球規則 7.03(a)(6)項の「審判員の命令で試合から除かれたプレーヤーを、適宜な時間内に退場させなかった場合」に該当すると解釈しているためである。しかし、時には単純なメンバー登録の誤記が原因で没収試合になった例もあり(#日本大学野球の八戸工業大学対青森中央学院大学戦、東北工業大学対仙台大学戦など)、日本アマチュア野球規則委員会は、メンバー交換時に気付いた場合はその場で訂正を認めるなど、些細なミスでの没収試合は避けるよう通達を出している。第93回全国高等学校野球選手権広島大会での広島新庄高対崇徳高戦では崇徳高の投手交代の不手際により規則を厳格に適用すれば没収試合だったが、広島県高野連は教育的な意味合いもあり、投手交代を認めず試合を再開した。
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