野口研究所案とは? わかりやすく解説

野口研究所案

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 08:50 UTC 版)

只見特定地域総合開発計画」の記事における「野口研究所案」の解説

野口研究所案とは、日窒コンツェルン創始者である野口遵のぐち・したがう)が私財投じ設立した財団法人野口研究所策定した計画案である。戦前朝鮮半島における水力発電開発事業行った経験から、戦後日本各地大規模開発計画調査策定を手がけ、只見川開発についても調査実施し発表した最大特徴大規模な水力発電さることながら水運の便を図るため日本海太平洋を結ぶ運河河川利用して連絡させるという壮大なものであった。 この計画案では信濃川阿賀野川只見川猪苗代湖阿武隈川鮫川の六河川運河連結し東北地方横断する形で日本海太平洋の間を200トン級の船舶運航できるようにすることが骨子であった。また水力発電については年間90キロワット時電力生み出し合わせて林業鉱業資源開発を行うとした。この案によれば阿賀野川只見川に2箇所信濃川阿武隈川鮫川に各1箇所の超巨大ダム建設し、各河川支流にもことごとくダム建設して水路で結び、効率的な発電を行うことが出来ると主張している。計画総出力は全ての案では最大3277000キロワットとなる。以下に計画案を示すが、ダム貯水池諸元不明であるため割愛する河川発電所認可出力(kW)備考阿賀野川 若松 27,000 阿賀野川鶴沼川合流点直下建設する田島貯水池より導水 阿賀野川 阿賀野川 740,000 阿賀町阿賀野市付近に建設する阿賀野川貯水池より導水 只見川 湯之410,000 現在の奥只見ダム付近に建設する只見貯水池より導水 只見川 沼沢沼 50,000 野尻川下流建設する野尻貯水池と沼沢湖より導水 只見川 野沢 100,000 現在の会津桧原駅付近に建設する桧原貯水池より導水 信濃川 柏崎 480,000 長岡市小千谷市境に建設する信濃川貯水池より導水 破間川 大白川 360,000 現在の破間川ダム地点建設する破間第一貯水池より導水 破間川 小出 740,000 破間川黒又川合流点建設する破間第二貯水池より導水 阿武隈川 郡山 150,000 猪苗代湖より導水 鮫川 小名浜 220,000 現在の高柴ダム付近に建設する鮫川貯水池より導水10 3,277,000 最大貯水池となる阿賀野川貯水池現在の東蒲原郡阿賀町阿賀野市境界付近に建設され湛水面積奥只見湖の約6~7倍に相当しの上流端は只見川合流点越えて会津坂下町喜多方市の境、濁川合流点付近にまで及ぶ。阿賀野川単独では貯水池形成できないため、阿賀野川支流早出川にもダム建設 し箇所ダム貯水を行う。ここで出力74キロワット発電を行う。また只見川建設される只見貯水池現在の滝ダム付近に計画されたが、その上流端は現在の田子倉湖上流端及び南会津郡南会津町南郷付近にまで及び、貯水池規模阿賀野川貯水池とほぼ同じである。この他信濃川小千谷市長岡市付近阿武隈川西白河郡中島村滑津付近に大規模ダム建設される計画であった。 しかしこの計画実行されると、既に建設されていた宮下新郷山郷豊実鹿瀬各発電所が完全に水没するほか、水没により移転余儀なくされる住民数が膨大になることが予想された。

※この「野口研究所案」の解説は、「只見特定地域総合開発計画」の解説の一部です。
「野口研究所案」を含む「只見特定地域総合開発計画」の記事については、「只見特定地域総合開発計画」の概要を参照ください。

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