酒粕の特色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 23:53 UTC 版)
酒粕は、清酒製造時の副産物のため、原料米由来の胚芽等が含まれることがある。また、伝統的な酒造道具(木桶等)を使用して製造されるため、それらが剥離し酒粕の中に混入することもまれにある。 発酵臭を有するためショウジョウバエを誘引することがある。 酒粕はエタノールや乳酸、生きた微生物が含まれているので、雑菌が繁殖しにくく腐りにくい。ただし、含まれる酵素により熟成が進み、また、糖分とアミノ酸がメイラード反応し、白色→黄色→ピンク色→褐色→焦げ茶色→黒色となる。変化の進み具合は温度、時間に依存する。 漬物用酒粕は4か月 - 1年程熟成させた酒粕を、酢原料酒粕は1 - 7年熟成させた酒粕を使用するのが一般的である。 市販の酒粕商品は、保存方法を「要冷蔵保存」あるいは「直射日光、高温多湿を避け、涼しいところでの保存」を記載している。 又、熟成に伴い、茶色等の着色や軟化など風味が変化していくことを記載し、この変化を抑えたい場合は冷蔵庫あるいは冷凍庫での保存を勧める旨を表示している商品が多い。 -18℃以下であれば3年間以上保存しても品質が大きく劣化することはない。また、熟成の過程でアミノ酸の一種・チロシンが結晶化し表面に白い斑点状のものが現れることがあるが、食べても問題はない。 しぼりたては香りは豊かだが、やや硬く、味が薄い。1週間ほど熟成させると香りは薄まるが、しっとりと軟らかくなり、味が出てくる。 酒粕には、体内の消化酵素で分解されにくく食物繊維様の生理機能を有するタンパク質であるレジスタントプロテインが含まれている。
※この「酒粕の特色」の解説は、「酒粕」の解説の一部です。
「酒粕の特色」を含む「酒粕」の記事については、「酒粕」の概要を参照ください。
- 酒粕の特色のページへのリンク