酒精強化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/03 17:19 UTC 版)
上記のようにマデイラ・ワインも通常のワインと同じようにブドウ果汁を醗酵させるわけだが、この醗酵の段階で酒精強化、すなわち、蒸留酒(エタノール)の添加が行われる。2003年現在ではこの酒精強化のタイミングを調節することで甘さの調整が行なわれる。甘口のものは醗酵があまり進んでいない段階で蒸留酒添加が行うことによって、早めに酵母を死滅させて、ブドウ果汁の甘さを残したまま醗酵を止める。これに対して辛口のものは醗酵がほぼ完了し糖分がほとんど無くなった段階で蒸留酒を添加する。この段階でアルコール度数は17%前後に調整される。ちなみに、この酒精強化のタイミングで甘さの調整を行う方法を取る場合、甘口に仕上げるためには早期に酵母を殺す必要があり、したがって酵母によって作り出されるエタノールの量も少ない。このため、甘口のものほど添加されるエタノールの量は多くなり、辛口のものほど少なくなる。 なお、マデイラ・ワインの場合、酒精強化の際に添加される蒸留酒は、ブドウから造られた中性スピリッツである。つまり、通常のワインを何度も蒸留してエタノールの濃縮し、アルコール度数を95%に上げた蒸留酒が添加される。ちなみに、このブドウを原料とする中性スピリッツは、フランスやスペインから輸入されたものが使われている。ただし、20世紀の一時期、サトウキビから作られた中性スピリッツが用いられたこともあった。しかし、1974年以降、酒精強化に使用されるのは、ブドウを原料とした中性スピリッツに限られている。
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酒精強化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/29 17:30 UTC 版)
詳細は「酒精強化ワイン」を参照 醸造過程でアルコールを添加し、アルコール度数を高めると共に糖を残したワインを酒精強化ワインという。デザートワインとして飲まれる主な酒精強化ワインには、ペドロ・ヒメネスのような甘口のシェリーや、フランスのヴァン・ドゥー・ナチュレルなどがある。ペドロ・ヒメネスはシェリーとしては珍しく、レーズンを用いたストローワイン(後述)でもある。シェリーでは他にブリストル・クリームなどもデザートワインに向く。酒精強化ワインはマスカットやグルナッシュなど様々なブドウで作られるが、ブドウの種類には関係なく、アルコール度数95度前後の蒸留酒を10%程度添加すれば発酵が停止する。グルナッシュをベースとした赤ワインタイプはそうではないが、マスカットを使った白のヴァン・ドゥー・ナチュレルはやや酸化された状態で仕上げられる。
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