ストローワイン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/29 17:30 UTC 版)
干しブドウから作るワインである。収穫したブドウを藁(straw)の上に並べて風乾したことからこの名が付いた。古代カルタゴでは、風乾したブドウから "passum" と呼ばれる甘口ワインが造られていた。このワインはマルタ海峡を渡り、イタリアにモスカート・パッシート・ディ・パンテッレリア(Moscato passito di Pantelleria)と呼ばれる同様の甘口ワインをもたらした。このようなワインはローマ人による記述が残されており、今でも北イタリアではヴィン・サント(伝統的にビスコッティとともに供される)やシャケトラ(Sciachetrà)、レチョート・ディ・ソアーヴェ(Recioto di Soave、同地方のパネットーネに合わせる)、レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラ(Recioto della Valpolicella)などのストローワインが多く作られている。しかしブドウは必ずしも藁の上で干されるわけではなく、棚に並べたり垂木から吊り下げられたりする場合もある。アルプス山脈を挟んでフランスのジュラ県、ローヌ県、アルザス地域圏近辺ではヴァン・ドゥ・パイユ(vin de paille、"paille" は藁の意)が生産されている。他にスペインでは前述のペドロ・ヒメネスが、キプロスではコマンダリア(Commandaria)と呼ばれるストローワインが生産され、南アフリカやアメリカにおいても近年類似のワインが造られている。
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