遠州鉄道譲渡後(ED21形ED213)
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「名鉄デキ110形電気機関車」の記事における「遠州鉄道譲渡後(ED21形ED213)」の解説
遠州鉄道は西ヶ崎駅構内における貨車の入換作業用車両として、開業当時に導入した木造電車モハ1形2を充当していた。このモハ2の老朽化が進行したため、同車の代替目的で1968年(昭和43年)12月に東洋紡績よりデキ111を譲り受け、同年12月16日に名鉄三河線の刈谷駅から国鉄線経由で遠州鉄道への受け渡しが行われた。 遠州鉄道の保有路線である西鹿島線は架線電圧750 V仕様であり、使用電圧が名鉄在籍当時の直流1,500 Vより半減することから、導入時の整備に際しては電動発電機 (MG) の改造など降圧対応改造が施工された。その他、運転台側面の社紋が遠州鉄道仕様に交換されたほか、車体の車番標記を名鉄在籍当時は「111」であったものを「211」と改めたが、この社紋プレートと車番の「2」の文字板は、いずれも代替廃車となるモハ2より流用したものであった。 211号機は翌1969年(昭和44年)1月よりモハ2に代わって運用を開始した。ただし、この時点では管轄省庁の設計認可が下りていなかったことから暫定的に無車籍の移動機械扱いにて運用した。 同年5月の設計認可と同時に正式に入籍し、形式は同社保有の電気機関車であるED21形に編入され、記号番号は既存車両の続番となるED213が付与された。この際、車体の車番表記も「213」と改められ、車番標記に用いる文字板は他のED21形と同様にゴシック書体のものに全て交換された。 導入後はモハ2と同様、主に西ヶ崎駅構内における貨車の入換作業を中心に運用された。もっとも、ED213が導入された当時は既に西鹿島線における貨物輸送は縮小傾向にあり、既存の電気機関車各形式も余剰気味となっていたため、運用機会は少なかった。 その後、ED213は1975年(昭和50年)3月に福井鉄道に貸与され、同年8月に正式譲渡された。
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