過去の装備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 15:16 UTC 版)
ピストルポート 車外を射撃するため各部に設けられた銃眼。撃つとき以外は閉められたが、装甲板にピストルポートが開けられている場合には防御上の弱点になり得る。また車内には大型の火器は持ち込めず、射角も限られたため、接近する敵歩兵を牽制する程度しか出来なかった。 ガン・ランチャー シェリダン、M60A2、MBT-70で従来の主砲に代わり装備された対戦車ミサイルの発射に特化した砲。構造が複雑で整備面やコスト面から実用性に乏しくMBT-70では試作のまま終わった。 千鳥型転輪 かつてのドイツ重戦車は転輪が千鳥型に2重、3重なって荷重を分散するようにしていたが、構造が複雑で大した効果がなかったため衰退し、同重量の現代戦車でも転輪は複列だが千鳥型にはなってない。 手摺 第二次世界大戦中のソ連軍では不足していた装甲兵員輸送車の代わりに戦車や自走砲の車体や砲塔側面に手すりを付けることで、タンクデサントと呼ばれる跨乗歩兵を輸送した。戦車と歩兵を相互に援護させることができた反面、戦車の外面に取り付いた歩兵達は無防備であり、敵陣への正面攻撃には不向きであった。見た目が勇ましいので、第二次世界大戦後も東側のプロパガンダ映像によく登場した。これ以外にも戦車への乗降用に設置された手すりもあり、現地改造で追加されたものも見られる。 ツィメリット・コーティング 詳細は「ツィンメリット・コーティング」を参照 「セメントコーティング」とも言われ、「ツィンメリット」と表記される場合もある。「ツィメリット」、または「ツィンメリット」とは、この塗料を開発したツィンマー社にちなむ名称である。 第二次世界大戦時に戦車攻撃用の磁力吸着地雷を開発したドイツ軍は、同様の兵器への対策として、硫酸バリウムにおがくずや黄土顔料を混ぜた、「ツィメリット剤」を自軍の戦車へ塗布していた。これは重量軽減や剥離防止のために独特のパターンが刻まれており、車体表面がザラザラして見える。だが連合軍は磁力吸着地雷を使用せず、生産の手間や重量を増加させるだけだったので第二次世界大戦末期には廃止された。
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