運行開始までのエピソード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 09:23 UTC 版)
「こだま (列車)」の記事における「運行開始までのエピソード」の解説
1958年(昭和33年)10月1日に、俗に「サンサントオ」と呼ばれるダイヤ改正が実施され、「あさかぜ」に20系客車が投入された。本来は「こだま」もこれに合わせて運行を開始する予定であったが、新機軸の多い車両のため8月下旬に予定されていた完成が9月にずれ込み、さらに所要の線路側の改良作業の完了は10月直前まで掛かることになった。 そのままでは要員の習熟運転の期間がとれず、湘南電車の運行開始時に故障が相次いで「遭難電車」との汚名を受けた二の舞になるとして、当時運転局総括補佐をしていた齋藤雅男が営業担当の石井昭正常務理事と談判して、運行開始を1か月遅らせることになった。これにより、10月1日のダイヤ改正で「こだま」運転のためのダイヤは用意されるが、1か月は運休とし、試運転のみに充当されることになった。1か月に及ぶ試運転期間に、実際に新機軸として導入された空気ばねの故障やパンタグラフの脱落事故など、数々の初期不良を経験しており、その対策に関係者が奔走することとなった。こうした対策の結果もあって、10月下旬には順調に運転が行われるようになり、1か月の試運転はその役割を果たした。 こうして11月1日から営業列車としての運転が始まった。当日は、東京駅15番ホームで下りの始発列車に対して十河信二国鉄総裁が、神戸駅で上りの始発列車に対して石井昭正常務理事がテープカットを行った。営業初日の車内では、運行開始を記念して20系電車がデザインされ、「ビジネス特急「こだま号」記念」と称された5本入りのピース2000個が乗客に無料で配布された。
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