遊撃隊とは
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 23:57 UTC 版)
安政の幕末期、世情は乱れ盗賊の群れは勢いを増し、町奉行所では手に負えなくなっていた。 そこで南町奉行は、配下である例繰方与力・花咲長兵衛と吟味方与力・毛間内以蔵の両名に、盗賊殲滅のための特別組織の設立を命じた。彼ら二人は、腕の立つ浪人を金で雇い入れて組織の構成員とすることを思い付き、極秘裏に人材を募集、これに応じた者を中心に組織を編成した。これが「江戸の遊撃隊」である。 報酬は仕事一回につき一人五両、後払いの成功報酬である。ただし、組織の存在は秘密であり、奉行所に捕らえられた場合は罪人扱いであった。 八丁堀周辺に詰所がある。長屋風の二階建ての建物で、一階は隊士たちが食事を摂ったりくつろいだりする「たまり場」、二階は主に任務の説明などに用いる会議場のような空間となっている。 南町奉行からの指令を受け取るのは花咲の役割で、毎回のように奉行の前に平伏する彼の姿が描かれる。毛間内が呼び出されることは基本的にはないが、第10話では、和田屋の讒言による悪評についての事情聴取のため、同じように奉行に呼び出されていた。 極秘裏に設立された秘密戦闘部隊ではあるが、隊の存在・規模など、ある程度の情報が、江戸城中や盗賊同士の情報網で知れ渡っていることが、登場人物(主に敵役)の台詞から窺える(第4話・第6話)。 南町奉行の指令を受けた花咲が、久六を伝令役にして隊士各員を詰所に呼び出し、指令のあらましを説明した後に、彼らに任務への参加の意志の有無を確認、参加の意志を表明した者に対して実務を割り振る、という段取りで、各回の任務は遂行される。 任務への参加・不参加はあくまで隊士の自由意志によって決定され、花咲や毛間内には任務への参加を強制する権限はない。そのため、時によっては、ほぼ花咲・毛間内のみで任務を遂行する羽目になることすらあった(第3話)また、第18話の小助のように、任務を拒否した場面だけで出番が終わってしまった者もいた。 荒くれ者だらけの隊士たちだが、武家の出の者は元より、農民や漁民出身者に至るまで、全員それなりに学はあり、最低限漢字かな交じり文の読み取りはできる(第11話冒頭の描写より)。
※この「遊撃隊とは」の解説は、「江戸の激斗」の解説の一部です。
「遊撃隊とは」を含む「江戸の激斗」の記事については、「江戸の激斗」の概要を参照ください。
- 遊撃隊とはのページへのリンク