週刊プレイボーイの記事から捜査が進展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 00:26 UTC 版)
「朝霞自衛官殺害事件」の記事における「週刊プレイボーイの記事から捜査が進展」の解説
発生直後から、マスコミはこの事件を大きく取り上げていたが、10月19日号の『週刊プレイボーイ』に「独占スクープ 朝霞の自衛官殺しはオレたちだ!」「謎の超過激派〈赤衛軍〉幹部と単独会見!」という記事が掲載された。記事を要約すると以下の通りであった。 九月下旬の某日、編集部に“日本共産党中央委の赤坂”と名乗る男がきた。年齢二十五、六歳。訛りは関西弁、“赤坂”がいうには自分は兵站部の責任者であり、赤衛軍は、第四インターが一時期「赤衛」という機関誌を出したことがあるが、われわれ赤衛軍とは無関係である。 8・21闘争つまり朝霞事件は赤衛軍の関東方面軍が総力をあげて参加した。駐屯地には六人が侵入した。時間は午後九時三十分だ。 侵入目的は武器奪取だ。武器を運ぶために八台の車を周囲に待機させた。 党の組織は中央委員会があり、議長は名前を明かせばびっくりするような文化人だ。 軍は、関東方面軍、関西方面軍に分れ、百人余、拠点は関西の大学に分散してある。毛沢東の持久戦、遊撃戦を基本戦略としているが、日本の事情を考慮して、日本独特の階級闘争を展開していく。ライフルなどはないが、ピストルは数丁と消火器爆弾を持っている。 第二、第三の朝霞事件を決行する。理論だけではダメだ。人を殺すのが好きでなければいけない。 要人暗殺も計画中で、目標として佐藤栄作、中曽根康弘、宮本顕治、成田知巳、池田大作、植村甲午郎……など政財界のVIP三十人のリストを読みあげた。 記事の最後に次の編集部のト書きがあった。 果して彼は〈赤衛軍〉の最高幹部なのか。編集部は、最初正直なところ疑問を持った。彼にその疑問点をいくつかぶつけてみた。すると、確認方法のいくつかを提示してきたので、それに従って、あらゆるルートを通じ可能なかぎり取材をしてみた結果、非常に信憑性が強く、やはり彼が〈赤衛軍〉であることは、ほぼ完全に確認できた。 100人規模の大部隊ならば、警察の捜査の過程で網にかかるはずである。また、車が8台というのも大袈裟で、駐屯地付近の捜査で不審車情報が1~2台はあったが、8台は嘘と見られた。よって大方の捜査員は記事に信憑性は無いとみていた。 しかし、捜査幹部は記事のある部分に注目していた。編集部の「キミたちがやったという証拠はあるのか」という問いに“赤坂”が「そんなにいうのならば、一つだけヒントを与えよう。実は現場に“指輪”を落としたが、サツが公開した遺留品のリストには入ってない」というやり取りである。この時点で警察は、一場士長が左腕に着けていた「警衛」腕章が無くなっていた件は公表していなかった。指輪と腕章とで大きさが違うが同じ「輪」である事が、捜査幹部が気になった点であった。
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