そうはいでん‐もう〔‐マウ〕【送配電網】
送配電網
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 03:05 UTC 版)
「東京電力パワーグリッド」の記事における「送配電網」の解説
基幹送電線に、首都圏のうち人口密度が高く需要が集中する地域を囲んで拠点変電所が配置され、これらの間を500kVの外輪線を巡り多重外輪線を構成する。最内側の500kV外輪線も千葉県船橋市の新京葉変電所附近を除いて国道16号より外側に位置する。外輪線に福島県、新潟県、長野県の電源地帯から伸びる電源線が接続する。以上が外輪系統である。 外輪系統の一部をなす西群馬幹線(西群馬開閉所 - 新富士変電所)、南新潟幹線(柏崎刈羽原子力発電所 - 西群馬開閉所)、東群馬幹線(西群馬開閉所 - 東群馬変電所)、南いわき幹線(南いわき開閉所 - 東群馬変電所)は、南新潟幹線の一部を除いて日本国内最高の1,000kVに対応する設計だが運用開始以来500kVで運用されている。 外輪系統より内側を都内導入系統と称し、地中送電線が多用されている。500kVの新豊洲線(新京葉変電所 - 新豊洲変電所、亘長39.50km)を除いて都内導入系統は275kV以下である。 供給区域の隣接する東北電力ネットワークとの間に東北東京間連系線があり、東北から東京へ送電可能な運用容量は5,000MW程度である。現在は新経路の連系線を建設して容量を倍増し、供給信頼度の向上を進めている。 中部電力パワーグリッドは供給区域が隣接するが周波数が異なり、東電PGと中部電力パワーグリッド間の電力融通に必要な周波数変換設備を東京中部間連系設備と称し、電源開発送変電ネットワークの佐久間周波数変換所、長野県東筑摩郡朝日村に位置する東電PGの新信濃変電所、中部電力パワーグリッドの東清水変電所の3か所に周波数変換設備が設置されている。2018年(平成30年)時点の容量は3か所合計で1,200MWである。新信濃変電所は900MW交直変換設備、中部電力パワーグリッドの飛騨変換所と同変電所を結ぶ亘長89kmの飛騨信濃直流幹線、それぞれが建設中で、新信濃変電所の交直変換設備、飛騨信濃直流幹線、飛騨変換所が完成すると、東電PGと中部電力パワーグリッド間で融通可能な電力は2,100MWに拡大する。佐久間と東清水の設備を増強し、連系設備の容量を3,000MWに拡大する計画も進捗している。 中部電力パワーグリッドが長野県松本市に有する配電用変電所「霞沢変電所」は東電PGから50Hzで受電しており、上高地、旧奈川村などの梓川上流域の中部電力パワーグリッド供給区域内で50Hzの電力が供給されている。 北陸電力の栃尾発電所(岐阜県高山市奥飛騨温泉郷にある水力発電所)と東京電力リニューアブルパワーの霞沢発電所(長野県松本市の大正池下流にある水力発電所)は安房峠を越す154kV栃尾線で結ばれ、両発電所は50Hzと60Hzのいずれも発電可能である。栃尾線は、東電PGから北陸電力送配電へ融通する際は60Hz、北陸から東京へ融通する際は50Hzで運用される。東電PGと北陸電力送配電との間に周波数変換設備はなく、両社の間で直接融通可能な電力は、付近の50Hzと60Hz両用の水力発電所で発生した電力に限られる。 東電PGの送配電網は日本国内の他送配電会社に比して地中化率が高い。2017年(平成29年)3月時点で、送電線地中化率は日本全体で15.0% 、東電PGは30.3%、東京都区部は92.5%、配電線地中化率は日本全体で5.8%、東電PGは10.1%、東京都区部は47.1%であった。 東電PGの初年度である2016年度(平成28年度)の送配電損失率(送配電ロス率)は、4.1%であった。2017年度(平成29年度)は1軒当たりの停電回数が0.09回、停電時間が6分であった。
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