送電受託
託送供給(振替供給・接続供給)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:48 UTC 版)
「一般送配電事業者」の記事における「託送供給(振替供給・接続供給)」の解説
託送供給は振替供給と接続供給の総称である。 振替供給とは、発電所や他社の送電線が送配電網に連系する地点(受電地点)で電気を送配電網に受け入れると同時に、他所(供給地点)で同量の電気を送配電網から供給することである。供給区域内の発電所から会社間連系点(送配電網と他社の送電線とがつながる地点)までの振替供給を、地内振替といい、会社間連系点から別の会社間連系点までの振替供給を中継振替という。 一方、接続供給とは、主に、一般の需要家に電気を供給する事業者(契約者)のために、受電地点で電気を送配電網に受け入れると同時に、他所(供給地点)で需要家が必要とする量の電気を送配電網から供給することである。需要家が使用する電力は、時々刻々変動するので、受電地点で受け入れた電気は、供給地点で必要な電気に対し、過不足(インバランス)があり得る。そこで、余剰分(余剰インバランス)は一般送配電事業者が引き取り、不足分(不足インバランス)は一般送配電事業者が補給する。接続供給の契約者と一般送配電事業者との間でやり取りしたインバランスにかかる対価は、後日、精算する(インバランス精算)。その際に使用するインバランス料金は電気の時価に基づいて算出する。 託送供給の契約者は、一般の需要家ではなく、主に小売電気事業者である。小売電気事業者は、自社または他社の発電所から調達した電気を、一般の需要家に販売・供給するが、発電所と需要家とを結ぶ送配電網は一般送配電事業者のものである。したがって、小売電気事業者は、一般送配電事業者と契約し、託送料金を支払って、その送配電網による電気の託送を利用する。託送料金は、総括原価方式により、適正原価に適正利潤を加えた額に決定される。一般送配電事業者は、供給地点に電力量計を設置し、電気を計量した上で、電力量を小売電気事業者に通知するとともに、託送料金を計算し、小売電気事業者に請求する。 小売電気事業者同士は競争関係にあるから、託送供給は、全ての小売電気事業者に対して公平な条件で提供する必要がある。したがって、託送供給は、経済産業大臣の認可を受けた託送供給等約款の条件で行うのが原則である。一般送配電事業者は、正当な理由なく託送供給を拒むことができない(託送供給義務)。
※この「託送供給(振替供給・接続供給)」の解説は、「一般送配電事業者」の解説の一部です。
「託送供給(振替供給・接続供給)」を含む「一般送配電事業者」の記事については、「一般送配電事業者」の概要を参照ください。
- 託送供給のページへのリンク