補助サービス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 14:22 UTC 版)
また、仮想発電所は、送電網の安定性を維持するために、系統運用者にアンシラリーサービス(補助サービス)を提供するための使用が可能である。アンシラリーサービスには、周波数調整、負荷追従、運転予備の提供などがある。これらのサービスは、主に電力の需要と供給のバランスを瞬時に維持するために使用される。アンシラリーサービスを提供する発電所は、系統運用者からの信号に反応し、消費者需要の変動に応じて数秒から数分のオーダーで負荷を増減させる必要がある。 アンシラリーサービスは通常、制御可能な化石燃料発電機によって提供されるため、太陽光や風力を高い割合で含む将来のカーボンフリー電力網は、制御可能な他の形態の発電または消費に依存しなければならない。その最も有名な例が、Vehicle to Grid 技術である。この場合、送配電網(グリッド)に接続された分散型電気自動車を制御して、1つの仮想発電所として機能させることができる。個々の車両の充電率を選択的に制御することで、あたかも大規模なバッテリーがサービスを提供しているかのように、送配電網(グリッド)はエネルギーの送配電網への注入または消費を確かめることができる。 同様に、ヒートポンプやエアコンなどのフレキシブルな需要も、送配電網(グリッド)にアンシラリーサービスを提供するために検討されている。 室内の室温の快適性が維持されている限り、分散型ヒートポンプの集合体は、選択的に電源を切ったり入れたりして、その消費電力を変化させ、アンシラリーサービス信号に従うようにすることができる。この場合も、送配電網(グリッド)への影響は、大規模な発電所がサービスを提供している場合と同じである。 仮想発電所は並列運転されるため、火力発電機よりも高い到達速度が得られるというメリットがある。これは、ダックカーブが発生し、朝と夕方に高い到達要件がある系統では特に重要である。しかし、分散型であるため、通信や遅延の問題が発生し、周波数調整などの高速なサービスを提供する上で問題となる可能性がある。
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