起源の調査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 13:09 UTC 版)
「11B-X-1371」の記事における「起源の調査」の解説
「11B-X-1371」の検証作業が始まると、すぐにクラビシュラーがこの動画を公開した最初の人物ではないことが明らかになった。2015年5月、"AETBX" と名乗るユーザーアカウントが同じ内容の動画をYouTubeに投稿していた。このユーザーの投稿動画はこの1本のみだった。動画のタイトルと説明文は、0と1からなる2進数の文字列で書かれていた。ほかのユーザーがこの動画にコメントを寄せ始めると、 "AETBX" はこれに反応し、投稿から5ヶ月経った動画に急に大きな関心が寄せられているのは何故なのかと質問した。いくつかのコメントは、"AETBX" が動画の作者本人であると推測していたが、 "AETBX" はこれを強く否定した。 『ワシントン・ポスト』は "AETBX" にEメールを介して接触した。取材に対して "AETBX" は「スペインのダニエル」とだけ名乗り、自分も送られてきた動画を受け取ったのだと語った。彼によると問題の動画は、ある面識のない少女からのEメールに添付されていたもので、少女はそれを公園のベンチの上で見つけたと彼に告げていた。その後、クラビシュラーは最初の記事へのアップデートのなかで、この動画は YouTube に投稿される以前に 4chan の超常現象掲示板に投稿されており、すでに何人かによって発見されていたと報告した。後に "AETBX" は『The Daily Dot』の取材に対し、クラビシュラーが郵便で動画を入手したと主張していることに疑いをかけ、「DVDの偽造は誰にでもできる」と述べた。 ほかに存在したふたつの作者特定への手がかりは、最終的に間違いであることがわかった。クラビシュラーが最初に動画を紹介したのと同時期に、カリフォルニア大学サンディエゴ校の学生による映像制作グループ「Triton TV」のブログに、問題の動画のスクリーンショットが、2進数で書かれたタイトル・説明文とともに投稿されていた。コメントを求められた際「Triton TV」は、当該ブログはすでに使用されておらず、さらにブログは数週間前にハッキングを受けていたと述べた。『The Daily Dot』によれば、ブログに投稿されたスクリーンショットはハッカーがランダムに選んだ多くの画像のなかの1枚であった可能性が高い。YouTube では「パーカー・ライト」というユーザーが2015年9月30日に、問題の動画と同じ動画を「聞いてる?」("Are you listening?")という説明文とともに投稿していたが、発見された「パーカー・J・ライト」という名の男性は Twitter 上での記者の質問に対し、動画投稿者とは別人であると回答した。 「11B-X-1371」の作者の身元が不明なままだった一方、制作に使用された撮影現場は特定されていた。動画の話題を追いかけていたあるポーランド人インターネットユーザーは、ワルシャワのすぐ南、オトゥフォツク(英語版)近郊のゾフィオフカ・サナトリウム(英語版)の廃墟を訪れ、廃墟の部屋のひとつが動画で見えるものと同じ窓割りと壁の落書きをもつことを確認した。落書きは同じ部屋の2013年11月時点での写真では確認できず、動画が2013年11月 - 2015年4月のどこかで撮影されたことを示唆していた。
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